以前の記事
2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 最新のコメント
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
●01-05(0106-0010)#C#C型肝炎、アイソトープ汚染-米国(メリーランド州)#
情報源:The Baltimore Sun、1月4日。 ボルチモア市で死亡したC型肝炎患者は謎に包まれる。 2004年10月にGlen Burnie循環器科クリニックを受診した引退した79歳の男性 が、C型肝炎を発病し、12月25日に死亡した。この患者の死は、現在メリーラ ンド州保健精神衛生局が調査中の稀な医学上の謎に、新たな関心を呼んでいる。 当局は、患者の感染源を、負荷試験や他の通常の診断検査時に血液中に注射さ れる放射線同位元素テクネチウム99m(99mTc)の注射であったと追跡した。調査 官は、何名が感染したのかや、感染者の住所については公表しなかった。しか し、感染源と疑われるアイソトープを調剤したTimoniumの薬局の親会社は、州 当局が、ボルチモア地区で少なくとも12名(の感染者)を特定したと発表した。 Brooklyn Park地区在住であった先の79歳の男性が、唯一の死亡患者である。 今回の症例には、内科医や核医学専門家達は、アイソトープが肝炎ウイルスに 汚染されていた先例がないとして、困惑している。 米国では毎年、1万人がC型肝炎で死亡している。新たな感染者の大部分が、違 法な薬物乱用により罹患している。当局が感染源と疑っているテクネチウム 99mの注射液はTimoniumにあるいわゆる核調剤薬局で準備された。親会社は、 調査官が正確な感染源を特定するまで、一時的に同薬局を閉鎖している。 (以下、当局者の、RIの製造過程やウイルス汚染が発生する可能性を含めたコ メント、死亡患者の妻やクリニックの循環器科医師らのコメントの記載。) [Moderator注:C型肝炎ウイルスは、フラビウイルス科、ヘパシウイルス属に 属する。このウイルスは、ほとんど全て血液、血液製剤、血液に汚染された物 質に非経口的に曝露されて伝播される。稀に、性的接触や周産期の感染伝播が 発生する。現在では、スクリーニング検査と不活化処理によって、血液製剤の 安全性が確保されている。しかし、血液に汚染された注射針は、重大な危険因 子である。 1ヵ所の調剤場所由来の8本別々に準備されたアイソトープを患者8名が注射さ れたという状況からは、汚染は、患者にアイソトープを投与した病院よりも、 アイソトープを調剤した薬局で発生したことが示唆される。問題のアイソトー プの汚染の程度は、8名全員が感染した程のかなりなものであったに違いない。 問題の循環器科クリニックのスタッフは検査でC型肝炎陰性であり、このこと からも、汚染は薬局でのアイソトープ調剤中に発生したことが示唆される。] ●01-05(0106-0020)#C+#鳥インフルエンザ、ヒト患者-ベトナム(13):疑い# 情報源:ChannelnewsAsia onlint、1月5日。 鳥インフルエンザウイルス感染疑いで、少年が死亡。 ベトナム南部在住の少年が鳥インフルエンザウイルス感染疑いで死亡したと、 当局が2005年1月5日に発表した。 南部Tra Vinh省Cang Long地区在住の9歳の少年は2005年1月4日夜に死亡したと、 Tra Vinh省立病院の副院長Luong Van Minhが明らかにした。患児は当初 同院で治療を受けたが、その後1月4日にホーチミン市の熱帯病病院に転院した。 「患児の死亡前にホーチミン市にあるパスツール研究所で実施された検査では、 患児がH5N1型ウイルス陽性であったと示された。」、「感染した家禽に直接接 触した後、患児は高熱を呈し、当院に入院した。」とMinh氏は語った。 2005年1月2日に、南部のTay Ninh省の16歳の少女が検査で鳥インフルエンザウ イルス感染陽性となった。この少女は、ホーチミン市の熱帯病病院で治療中で ある。 ベトナムでは2004年12月以来、新たな鳥インフルエンザ流行が南部の7省から 報告されており、現地当局によれば、流行制圧のために家禽少なくとも14,000 羽が処分された。 [Moderator注:2004年12月30日時点で、ベトナム当局は、鳥インフルエンザA (H5N1)ウイルス感染確定患者29名を記録しており、これにはホーチミン市内の 病院に現在入院中のTay Ninh省の少女患者も含まれている(一方、WHOは確定患 者28名のみを確認している)。H5N1型ウイルスに関する検査で陽性であるのに、 今回の死亡患者が「疑い」とされている理由は明確ではない。もしこの患者の 診断が確定すれば、ベトナム国内の確定患者数は30名(WHOによれば29名)に増 加し、死亡患者数は21名となる。] ● 01-12(0106-0030)#C#デング熱/デング出血熱、最新状況2005年(01)# 目次: [1]マレーシア(Selangor およびKuala Lumpur -警戒態勢)。 [2]ブラジル(Sao Paulo州)。 [3]ベネズエラ。 [1]マレーシア(Selangor およびKuala Lumpur -警戒態勢)、情報源:New Sunday Times、2005年1月2日。 毎日デング熱疑い患者100名が報告されており、Selangorと首都ではデングに 対する警戒態勢が取られている。 保健省感染症対策課責任者Dr Ramlee Rahmatは、先月のHari Raya(イスラム教 太陰暦の10月であるShawalの最初の2日間がHari Rayaで、ラマダンの最後に当 たる)以後、デング熱患者の急増が認められていると述べた。同氏は、「当課 には、Selangorと首都Kuala Lumpurから、毎日少なくとも100名がデング熱症 状を発症していると報告があった。」とし、医療機関は、デング熱症状を呈し ている小児を含む全員を徹底的にチェックするよう通達されていると加えた。 全ての州および地区保健当局は、デング熱を媒介するシマカの繁殖場所のチェ ックを強化し駆除するよう指示されている。Selangorと首都Kuala Lumpurの現 地当局も、水のたまった下水や場所を清掃するよう要請されている。2004年の 最初の9ヵ月間で、(シマカの繁殖場所の不適切な処置に対し)10,472施設が罰 金を科せられた。その間に、8,237名がデング熱に、360名がデング出血熱に罹 患した。同時期に、38名がデング出血熱で死亡した。Dr Ramleeが市民に対し、 保健当局に協力し、下水のつまりを含め周囲の環境を維持するよう呼びかけて いる。 [2]ブラジル(Sao Paulo州)、情報源:Agencia Brasil、1月3日。 Sao Paulo州の20市で、デング熱の危険性が高まっている。 Sao Paulo州にある645市中20市で、デング熱を媒介するネッタイシマカの繁殖 レベルが高まっている。 同州保健局長は2005年1月3日に、Breteau指数(100世帯当たりのネッタイシマ カボウフラあるいはさなぎが確認された水のたまった容器数)3以上の市のリス トを公開した。沿岸部のSao Sebastiao市が指数20.14で最高値であり、指数 13.59のPotim市および指数8のItuverava市がそれに次いでいる。 [Moderator注:デング熱/デング出血熱伝播の危険性を示すネッタイシマカの 個体密度を提示する点で、Breteau指数は、それより古いHouse index家屋指数 (ネッタイシマカのボウフラ/さなぎが検出された家屋の割合)やContainer index (ネッタイシマカのボウフラ/さなぎが検出された水の溜まった容器の割 合)よりも信頼性が高いと考えられている。 Breteau indexが35~49であれば、デング熱伝播に関し危機的な閾値と考えら れることが多いが、デング熱/デング出血熱の発生がBreteau indexやHouse indexに関連しない事例も複数存在している(参考文献あり)。実際、ヒトの人 口密度や家屋間の距離、1階建てと2階建ての差、ボウフラ/さなぎ陽性容器の 個体数など感染症伝播に関して疫学的に重要と考えられる因子は多数存在する。 結論的には、媒介蚊のボウフラ/さなぎの個体密度指数と感染流行危険性の関 係は、せいぜい「疑い」のレベルである。] [3]ベネズエラ、情報源:ベネズエラ保健省、疫学広報、疫学第51週、2004年 (12月19日~25日)。 ベネズエラでのデング熱流行状況(2004年疫学第51週)。 12月25日までの2004年疫学第51週に関し、ベネズエラ保健省は、デング熱患者 420名を報告し、その時点の年間累計患者数は30,234名となった。2003年同期 の累計患者数は25,834名であった。 同じ週に、デング出血熱患者37名(8.8%)が報告された。死亡患者は報告され なかった。2004年のこの時点での累計は、デング出血熱患者1,953名、死亡患 者5名となった。 過去6週間に渡り、デング熱患者発生は減少している。デングウイルス4亜型す べてが感染循環している。累積罹患率は、人口10万人当たり116.2である。
by sank100
| 2005-01-07 07:11
| ProMed-mail
|
ファン申請 |
||