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●02-10(0212-0010)#C#ポリオ-サウジアラビア:ハジ(メッカ巡礼)関連#
情報源:New York Times、2月10日。 保健当局は新たなポリオ感染拡大を危惧している。 ポリオ感染が明らかに、先月末イスラム教徒200万人が参加した例年の巡礼の直 前にイスラム教の聖地メッカに及んでおり、WHO当局は、帰国する巡礼者によっ てポリオが世界中に感染拡大される可能性を危惧している。 バングラデシュやインドネシアなどの人口密度が高くワクチン接種率の低い諸国 では、「相当大きな影響となる可能性がある。」とWHO世界ポリオ根絶計画の調 整官Dr. BruceAylwardは語った。 サウジアラビア政府報道官は、ポリオがアフリカ全域に拡大していると報じられ ていたため、サウジ政府は今年自国内にポリオの感染が及ぶことを恐れていたと 述べた。サウジ政府は2004年9月に広範囲ポリオワクチン接種キャンペーンを開 始し、2005年1月末のハジ真最中前にその脅威を取り除きたいと希望していた。 サウジアラビアは1995年以来ポリオが根絶されていたが、昨年年末に患者2名が 確認された。12月末に確認された第1例目は港湾都市Jeddah在住の少女で、スー ダンから入国した直後の11月6日に麻痺を呈した。2例目は一層困惑する症例で、 本日明らかとなったとDr. Aylwardは指摘した。患者は5歳のナイジェリア人少年 で、2004年12月15日に麻痺を発症した。この症例の問題点は、患者の家族がメッ カ郊外に隣接した違法な野営地に数年間居住していたことで、患者はサウジアラ ビア国内で感染したと考えられる。 広範囲の諸国で新たな流行が散発的に発生するには数週間かかると専門家ら指摘 した。麻痺患者はポリオウイルス感染者200名当たり1名発生し、発病までの潜伏 期は最大で35日であり、バスや船舶で旅行している巡礼者は帰国まで数週間かか ることがあり、貧しい国々の疫学サーベイランスは不完全なことが多い。 ポリオワクチン接種は、今年まではその脅威が急速に薄れていたので、ハジ巡礼 には要求されていなかった。もし要求されていても、違法な入国者や偽の接種証 明書を持参する入国者が予想されると政府報道官は指摘した。 ポリオは、イスラム教イマームや現地政治家がポリオワクチンが女性を不妊にす るといった噂を広めたためワクチン接種キャンペーンが数ヵ月中断された2003年 以来、ナイジェリア北部から感染拡大している。 その流行に関連する大部分の患者は主に、マリからエチオピアにかけて広がるサ ハラ砂漠の南に広がる乾燥した耕地帯であるMuslimSahelで発生している。その 他の感染中心も大部分はイスラム圏に位置する、すなわち、パキスタン、インド 北部、アフガニスタン、およびエジプトである。 2004年9月に、サウジアラビア政府は、巡礼者が上陸するメッカ地区および Jeddah地区で80万人にワクチン接種を開始した。 以下、最近数年間の世界でのポリオ根絶計画の停滞の実情と、多数の巡礼者に伴 うポリオ感染拡大防止対策に苦慮するサウジ当局の状況、2000年のハジの際発生 した髄膜炎菌性髄膜炎流行などの記載。 ●02-11(0212-0020)#Ep#柑橘類癌腫病-オーストラリア(クイーンズランド州): 疑い# 情報源:AAP、2月10日。 柑橘類癌腫病流行の調査。 クイーンズランド州農業当局は、Emerald地域での別の柑橘類癌腫病が疑われる 事例を調査する予定である。 以下、自分の果樹園で感染が疑われる樹木を確認した農場主と関係する当局者の コメント。 ●02-11(0212-0030)#Er#旋毛虫症、ヒト患者-アルジェリアからフランスへの輸 出例(02):訂正# 投稿者:Jean Dupouy-Camet(MD, PhD、国立旋毛虫症委託センター)。 先の記事の編集の段階で原文の一部を誤って解釈した部分があった。 正しくは、「アルジェリアでは(先の記事中では「フランスでは」と誤記されて いた)、1945年以来患者約40名(全員が国外居住者)が発生した少なくとも5件の流 行が確認できた。」とすべきである。 ●02-11(0212-0040)#C#ニパウイルス-バングラデシュ(Tangail地域)(02)# 情報源:Science and Development Network、2月11日。 ニパウイルス感染はフルーツジュースから罹患した可能性。 バングラデシュでは4年連続でニパウイルス感染が発生し、2005年1月10日に最初 に報告されて以来、少なくとも12名が死亡し、別の32名が感染している。 バングラデシュ疾患対策課によれば、今回の流行は首都Dhakaの北にあるTangail 地域で始まり、住民13名がpalm fruitジュースを飲んだ後に発熱し意識不明と なった。Dhakaに本拠を置く疫学疾病対策研究所(IEDCR)の研究者は、昨年の流行 がニパウイルスを保有しヒトに感染伝播させるフルーツコウモリとの接触が原因 であったため、ニパウイルス感染を疑った。同チームは、問題のジュースがフ ルーツコウモリの排泄物に汚染されたが、コウモリが一部を食べたフルーツから 作られたのではと考えている。 研究者らは、患者の血液検体を米国CDCに送付し、CDCはそのうちの1件でニパウ イルス感染を確認した。バングラデシュにはニパウイルスを診断したりその感染 制圧対策を研究している研究機関はない。 以下、IEDCRによるニパウイルス感染伝播様式の研究概要、2004年の流行の際に ニパウイルスのヒト・ヒト感染伝播があったとする証拠があること、ニパウイル ス感染症状など。 [ニパウイルスのヒト・ヒト感染伝播に関する論文全文は、Health and Science Bulletin 誌2巻, 5号 (2004年)で閲覧可能である、 ] ●02-07(0212-0050)#C#クロイツフェルト‐ヤコブ病(新変異型)最新状況、2005 年(02)# 目次: [1]英国保健省vCJD月間統計-2005年2月7日時点;新たな患者1名発生。 [2]英国-今後の患者発生予想数は70名に減少 [3], [4]&[5]炎症とプリオンの移動。 [6]SEAC方針説明書-母子間感染伝播。 [7]血液供給-異常プリオン除去の新たな技術。 [1]情報源:英国保健省、月間クロイツフェルト・ヤコブ病統計、2005年2月7 日。 [Moderator注:vCJD死亡患者、確定例、可能性例などの用語と、症例定義は上記 保健省ウェブサイトか、過去のProMED-mail記事(2002年3月、番号2002305.3693) で参照可能である。 英国における変異型CJD(ProMED-mailではCJD(new var.)またはvCJDと省略す る)発生頻度が既にピークを打ったか、または平衡状態に達していることを示し ており、保健省の確定または可能性CJD死亡患者の総数表はProMED-mailでは再録 しない。状況に何らかの変化が無い限り、vCJD月間要約のみ掲載する。毎月更新 される表全体は以下の保健省ウェブサイトで閲覧可能である: vCJD患者要約-死亡患者: vCJD確定例における死亡患者(確定例):106名。 vCJD可能性例における死亡患者(神経病理学的に未確定):41名。 vCJD可能性例における死亡患者(神経病理学的確定実施中):1名。 vCJD確定例または可能性例における死亡患者総数:148名。 vCJD患者要約-存命中:6名。 vCJD確定例または可能性例(死亡または存命中):154名。 (次の更新は2005年3月7日公表予定。) [Moderator注:2005年1月11日に公表された前回の月間統計以来、vCJD確定例に おける死亡患者数は変わらず106名のままで、vCJD確定または可能性例における 死亡患者総数も変わらず148名のままである。vCJD可能性例患者の生存者数は5名 から6名に増加した。従って、vCJD確定または可能性例の患者総数は、前から1名 増加して、現在154名である。] [2]情報源:BBC News online, Health、2月12日。 「vCJD時限爆弾」の恐れは減少する。 研究者らは、英国で将来変異型ヤコブ病による多数の死亡患者が発生する可能性 は低いと発表した。Imperial大学チームは現時点で、今後の死亡患者数は約70名 であろうと計算している。同チームは、最悪の想定では今後死亡患者約600名が 発生する可能性があるが、このシナリオの可能性は低いとしている。Journal of the Royal Society誌に公表された今回の研究では、住民数千人がvCJDに感染し ている可能性があるが、不顕性に留まると指摘している。 以下、今回の推論の根拠となった研究データ、研究者のコメント、CJDサーベイ ランス部は患者数予測の困難さを指摘していることなど。 [3]投稿者:Terry S. Singeltary Sr. 慢性リンパ球性炎症が、プリオンの臓器向性(トロピズム)を明示する。 [Moderator注:以下は、Mathias Heikenwalderおよび他8名により、2005年1月20 日にScience誌オンライン版に発表された論文の要旨である。 この論文では、慢性炎症状態がプリオンの自然および医原性伝播に影響し拡大さ せる可能性を示している。] プリオンは典型的には、神経およびリンパ組織に集積する。炎症性サイトカイン (proinflammatory cytokines)と免疫細胞は、リンパ組織でのプリオン複製に必 要となるため、炎症状態がプリオン病原性に作用するか検討した。腎、膵あるい は肝臓の5種類の炎症性疾患を持つマウスにプリオンを接種した。全例で、慢性 リンパ球性炎症により、通常はプリオンが認められない臓器中にプリオンの集積 が観察された。炎症局所は一貫してリンホトキシン増加およびプリオン蛋白PrPC を発現しているFDC-M1+細胞の異所性誘導に合致していた、これに対して、リン ホトキシンアルファまたはその受容体を欠失したマウスの炎症臓器には、プリオ ンもプリオン接種に関する感染性も集積しなかった。プリオンの臓器分布を拡大 させることにより、慢性炎症状態は自然および医原性プリオン感染伝播の修飾因 子として作用する可能性がある。 [4]情報源:Reuters News Agency、1月20日。 新たな研究により、炎症が異常プリオンの拡散を促進する可能性が示唆される。 研究者が2005年1月20日に、狂牛病の病因である物質はある種の疾患に罹患した 動物の体内ではより広範囲に拡散する可能性があると発表した。研究者らは、今 回の知見はBSEの拡散を抑止するための対策が十分であるかという疑問を惹起し ていると指摘した。 以下、[3]で要約が提示された研究結果とその含意を報じる報道。 [5]情報源:New York Times、1月21日。 新たな研究により、狂牛病原因タンパクが従来考えられていたよりも広範囲に分 布することが示唆された。 狂牛病原因タンパク(異常プリオン)は長期に渡り感染動物の脳と神経系にのみ障 害を起こすと考えられてきた。しかし研究者らは1月21日に、病因となるタンパ クが他の臓器にも分布しうると発表している。研究はマウスを用いた実験に基づ いているが、他の動物種でも同様なことが発生するならば、感染した個体では食 べても安全な部位はないことを示唆する。BSEはヒトの変異型クロイツフェル ト・ヤコブ病発病の原因となる。 以下、[3]で要約が提示された研究結果とその含意を報じる報道。 [6]情報源:海綿状脳症諮問委員会(SEAC)、方針説明書、2005年1月。 方針説明書:変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の母子感染。 問題点: 英国の医療当局責任者はSEACに対して、母乳を介する変異型クロイツフェルト・ ヤコブ病(vCJD)の母子感染伝播についての現在の知見およびコメントを求めた。 子宮内感染伝播も同様に考察された。同委員会は科学的根拠に基づいた母乳を介 するvCJDの感染伝播危険性を減じる対策に関してもコメントした。 以下、今回の諮問の背景、母乳銀行、結論、参考文献の項目ごとの要約。 結論としては、現在母乳を介するvCJDの感染伝播を含め母子感染伝播の疫学的な 証拠は存在しない。しかし、理論上の危険性は残る。確認できる証拠は限定的で あり間接的なものであるが、そうした危険性は完全に否定できないが低いと考え られる。危険性を除外することが不可能であるため、今後も監視が維持されるべ きである。 [7]情報源:Medical News Today、2月9日。 血液からの変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の病因タンパクの除去。 血液製剤輸血による変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(ヒトの「狂牛病」)曝露 の危険性が、本日メリーランド州Silver Springで開催された米国食品医薬品局 (FDA)の伝染性海綿状脳症(TSEs)諮問委員会の主要な議題であった。多くの供血 者からの血液提供を不必要に延期しないで、感染の危険性を減じる可能性のある 新たな技術が考慮されるべきとした同委員会の提案に対応して、Pall社はその新 たな異常プリオン除去技術に関する最新の科学データを発表した。 今春ヨーロッパで市販される予定のLeukotrap Affinity Prion Reduction Filter(白血球吸着親和性プリオン除去フィルター)は、最も汎用される輸血用成 分である赤血球から感染性異常プリオンを除去する。異常プリオンはvCJDやTSEs として知られる他の致死的神経変性疾患の病因である。 以下、Pall Medical社の技術部門責任者のコメントと同社のLeukotrap Affinity Prion Reduction Filterの特性の概説。 ●02-11(0212-0060)#C-#汚染ヘロイン-米国(北東部):警報# 情報源:ニューヨーク市保健精神衛生局(NYC DOHMH)、2月10日。 2005年保健警報第6報:汚染ヘロインの調査。 2005年1月28日以降、数名の男性ヘロイン乱用者がヘロインの鼻腔吸引後に、興 奮、嘔気、頭痛、および脱力といった稀な症状を訴えてニュージャージー州およ びペンシルベニア州の医療機関を受診した。医療関係者が確認した当初の所見で は、低血圧、頻脈、低カリウム血症およびpVO2(静脈血酸素分圧)高値の重症の乳 酸アシドーシスが顕著であった。こうした所見はシアン化物中毒を示唆したが、 その後の診断検査ではシアン化物は特定されず、一部の検体でクレンブテロール が確認された。 クレンブテロールは(ウシの肉質改善用には)無認可の持続性アドレナリンベータ 作動性アゴニストであり、主にウシの赤身を増加させるために用いられる。ヒト 用には時折、持久力を増し、体脂肪を減少させるためのエクササイズの一部とし てクレンブテロールが使用されることがある。 現在の症例定義には、低カリウム血症、高血糖、乳酸値上昇を伴った代謝性アシ ドーシスおよび静脈血酸素分圧上昇が含まれる。現在までに、ニュージャージー 州およびペンシルベニア州では多数の患者が確認され、疑い患者数名がコネチ カット州で発生している。 NYC DOHMHは現在、上記症例定義に合致したニューヨーク市内で発生した患者数 名の報告を受けている。2月9日時点で合計6名が市内で報告された。2月6日以 来、4名の成人男性患者が、低血圧、頻脈および低カリウム血症のため、ブルッ クリン区の病院で診察を受けた。全員が鼻腔吸引によるヘロイン乱用を行ってい た。患者2名が2月8日にブロンクス区の病院から報告された。 以下、患者の治療内容、患者確認時の市当局の連絡先など。 [2]情報源:1010 WINS、2月10日。 薬物乱用者は要注意。 コネチカット州New Britainでヘロイン過剰摂取が原因と考えられる死亡患者3名 が発生したため、ニュージャージー州やその他の北東部各地で確認されている汚 染薬物の可能性について、2月10日に州全域に保健警報が発せられた。 薬物乱用による死亡患者の追跡調査を行っているコネチカット州毒物対策セン ターは、男性2名が2月3日New Britainの自宅で死亡して発見され、3例目の死亡 患者が2月5日に駐車場で発見されたのを受けて、今回の勧告を発表した。3名の 年齢は30歳~50歳であった。 以下、今回の症例の調査に当たる当局者のコメント。 [Moderator注:clenbuterol クレンブテロール汚染食肉による食中毒事例報告と エクササイズでのクレンブテロール使用に関連した中毒事例報告の文献の紹 介。] ●02-07(0212-0070)#Ea#炭疽、カバ-ウガンダ# 情報源:allAfrica.com。 炭疽流行に対して、家畜へのワクチン接種が実施される。 農業当局は、炭疽の感染拡大を抑止するためQueen Elizabeth国立公園外の地区 で飼育されている家畜にワクチン接種を行っている。同公園内で新たな炭疽流行 による被害を受けているカバの死亡頭数は、20頭から23頭に増加した。炭疽流行 により多くの種類の野生動物が死亡したが、昨年同公園ではカバ約200頭が死亡 した。 農業省の家畜衛生担当当局責任者であるDr. Nicholas Kautaは2月8日に、国立公 園近郊の最も感染の危険性が高い地区で飼育されている家畜にはワクチン接種が 実施されたと述べた。 ●02-04(0212-0080)#Ea#ブルータング、家畜反芻類-スペイン:OIE、訂正# 情報源:OIE Disease Information、18巻6号。 更新情報第6報(訂正記事)。 スペイン農水食糧省動物衛生局副責任者Dr Arnaldo Cabello Navarro2005年2月5 日に入手した情報の翻訳。 スペイン当局は、ブルータング制圧目的で、アンダルシア地方で飼育されている ウシ328,258頭にワクチン接種を行ったと報告した。しかし情報を確認したとこ ろ、実際にはワクチン接種計画に含まれた動物はヒツジであったと考えられる。
by sank100
| 2005-02-15 07:11
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