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●03-07(0309-0010)#Er#デング熱/デング出血熱-イエメン(Hodeida):媒介蚊#
投稿者:Alan Kemp(Witwatersrand大学国立感染症研究所ウイルス学科、医昆 虫学者)。 イエメンでのネッタイシマカのボウフラの発生。 Hodeidaおよびメッカでのデング熱感染の原因となっている媒介蚊は同定され ているのであろうか。デングウイルス流行を報じた多くの記事では、地面の水 溜りが処理されたり除去されていると報告されている。地面の水溜りは、一般 的にはシマカにとって必ずしも適切な産卵場所ではない。シマカ属は通常は木 のほら、葉腋あるいは人工的な容器(たとえば廃棄された古タイヤ)で繁殖する。 ベクター駆除は、Hodeida.ではもっと実効的に人工的な容器やヤシの木の葉腋 を対象に実施されるべきと思う。もう1つの明らかな誤解は、デング熱媒介蚊 が淀んだ水に産卵を好むという点である。事実とは全く違っている。この種は、 その半乾燥した卵への水の供給を新鮮な局地的降雨に依存している。孵化の刺 激は、この降雨による急激な脱酸素である。他の属の蚊族は、卵が常に水に接 触している必要があるため溜まり水を利用することが多い。この場合は、容量 の少ない水溜りでは、卵やボウフラが成虫となるまでに干上がってしまう。 [Moderator注:デング熱の主要なベクターであるネッタイシマカと、東南アジ アを中心に近年世界的にその生息域を拡大させている潜在的なデング熱のベク ターであるヒトスジシマカの環境への適応能力の違いについての解説。] ●03-08(0309-0020)#C#クロイツフェルト‐ヤコブ病(新変異型)最新状況、 2005年(03)# 目次: [1]英国保健省vCJD月間統計-2005年3月4日時点;死亡患者数変わらず。 [2]米国-新たなプリオン検出用のコンフォメーション依存性免疫アッセイ法。 [3]日本-最近導入された献血規制の再評価。 [1]情報源:英国保健省、月間クロイツフェルト・ヤコブ病統計、2005年3月4 日。 [注:vCJD死亡患者、確定例、可能性例などの用語と、症例定義は上記保健省 ウェブサイトか、過去のProMED-mail記事(2002年3月、番号2002305.3693)で参 照可能である。 英国における変異型CJD(ProMED-mailではCJD(new var.)またはvCJDと省略す る)発生頻度が既にピークを打ったか、または平衡状態に達していることを示 しており、保健省の確定または可能性CJD死亡患者の総数表はProMED-mailでは 再録しない。状況に何らかの変化がない限り、vCJD月間要約のみ掲載する。毎 月更新される表全体は以下の保健省ウェブサイトで閲覧可能である: vCJD患者要約-死亡患者: vCJD確定例における死亡患者(確定例):106名。 vCJD可能性例における死亡患者(神経病理学的に未確定):42名。 vCJD可能性例における死亡患者(神経病理学的確定実施中):1名。 vCJD確定例または可能性例における死亡患者総数:149名。 vCJD患者要約-存命中:5名。 vCJD確定例または可能性例(死亡または存命中):154名。 [Moderator注:2005年2月7日に公表された前回の月間統計以来、vCJD確定例 における死亡患者数は変わらず106名のままで、vCJD確定または可能性例にお ける死亡患者総数は1名増加して149名となった。vCJD可能性例患者の生存者数 は6名から5名に減少した。従って、vCJD確定または可能性例の患者総数は、 154名のままである。 2005年3月4日時点で、2005年これまでに英国内では、CJC疑い患者18名が発生 し、散発型CJCによる死亡患者5名、GSS(Gertsmann-Straussler-Scheinker症候 群)による死亡患者1名、Vcjdによる死亡患者1名が発生した。家族性あるいは 医原性CJDによる死亡患者は発生していない。] [2]米国、情報源:eukalert.org、2月16日。 (改良された) 検査法により、ヒトでのプリオン病診断が改善される可能性。 米国国立衛生研究所(NIH)が研究費の一部を負担した研究によれば、非常に高 感度な剖検時検査が、患者の死因が異常プリオンによるヒトの神経変性疾患で あるクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)によるのかを専門家がより正確に診断 する手助けとなる可能性が出ている。今回の知見は、将来そうした検査法がさ らに改良されて、発病前に生きたヒトや家畜でのプリオン病を診断するのに使 用される可能性を開いた。 コンフォメーション依存性免疫アッセイ法(CDI)と呼ばれるこの検査法は元来、 ウシ、ヒツジ、シカその他の動物での病原性たんぱく質プリオンの種々の形を 検出するために開発された。カリフォルニア大学サンフランシスコ校のJiri Safar医師らの研究チームは、今回の研究の中で、CDI法はヒトの脳組織中のプ リオンを特定するだけでなく、標準的な免疫学的検査法よりも迅速かつ正確で あることを確認した。 詳細な研究内容は米国科学アカデミー紀要誌2005年3月1日号に公表されている。 以下、関係者のコメントと今回の研究の概要。 [3]日本、情報源:Xinhua News Agency online、3月7日。 (先日国内で確認された変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者が、1990年に 英国とフランスに短期間滞在していたとの調査結果を受けて、)厚生労働省は3 月7日に、1980年~1996年に両国に1日以上滞在した経験のある人からの献血を 断るとした新たな規制を発表していたが、血液供給が不足した場合にはその規 制を見直す可能性があると3月8日に明らかにした。 ●03-08(0309-0030)#D#セパシア菌、術後感染-米国(ニューヨーク州):情報提 供依頼# 投稿者:Neville Clynes。 心臓手術後のセパシア菌_Burkholderia cepacia_による菌血症。 2005年2月18日に、69歳男性が待機offpump(人工心肺非使用)4枝冠状動脈バイ パス術を受け、その12時間内に敗血症性ショックに陥った。2件の血液培養検 査では共にセパシア菌_Burkholderia cepacia_が分離された。患者は術前には 感染兆候はなく状態は良好であった。 術中、患者は乳糖加リンゲル液、Hextend(血漿増量剤)および通常の生食水の 輸液を受けた。出血した血液はCell Saverを介して患者に還流された。この事 例以来、同様の臨床経過あるいは心臓術後にセパシア菌培養陽性となった患者 は発生していない。 この症例での急速な症状の進行からは、医原性の高度の菌汚染が示唆される。 こうした症例を経験し、その感染源(媒介物)についてご存知の方はいませんか。 [Moderator注:セパシア菌_B. cepacia_は、非発酵性、好気性のグラム陰性桿 菌で、以前は_Pseudomonas_属に分類されていた。緑膿菌_Pseudomonas aeruginosa_とは異なり、セパシア菌は、病原性は低く、一部のハイリスク群 を除きヒトでの発病は限定的な菌である。 セパシア菌は病院内の水回りの環境中で生存・増殖し、蒸留水中や四級アンモ ニウム塩といった一部の消毒溶液中でも長期に渡り生存可能である。 今回の事例では、術後の時間経過(12時間)からは、術後に血管内への菌の曝露 が起きたことが示唆される。同様の事例についての情報提供を期待する。] ●03-08(0309-0040)#Er#鳥インフルエンザ、家禽ワクチン(02)# [1]投稿者:James Alexander(DVM, MPVM., Dipl. ACVPM、テキサス州保健局)。 中国で開発された新たな鳥インフルエンザワクチンの投与方法についての議論。 筆者が1980年代後半にテキサス州で経験した家禽の伝染性喉頭気管炎 Infectious Laryngotracheitis (ILT)に対する生ワクチンの接種プロトコール の説明。 [2]投稿者:David E. Swayne(DVM, PhD、米国農務省、Southeast家禽研究所)。 鳥インフルエンザウイルス生ワクチン使用の危険性(環境中への拡散と変異)の 指摘。 ●03-03(0309-0050)#Ea#炭疽、カバ-ウガンダ(04)# [1]投稿者:Dr. Patrick Atimnedi(ウガンダ野生生物局)。 ウガンダQueen Elizabeth国立公園での炭疽対策に関する情報。 死亡したカバからの検体に対する種々の検査で炭疽菌陽性所見が得られた。さ らにドイツのRobert Koch研究所でのPCR法検査でも陽性結果が確認され、当局 ではカバの主要な死因は炭疽であると結論している。 2004年7月以来、現地ではカバ287頭が死亡した。2005年1月8日以来では、68頭 が死亡している。現在のところ、感染源は不明である。動物の死骸は発見され 次第迅速に処理されている。炭疽流行はカバでのみ確認されているが、他の動 物種での比較的多数の死亡も検知されている。 [2]投稿者:Dr. Patrick Atimnedi。 現地でのカバの大量死に関する診断検査方法の概要。 2004年8月時点の空中からの個体数計測では、Queen Elizabeth国立公園ではカ バ2,632頭が確認されていることから、これまでに確認された死亡頭数287頭は、 全個体数の10.9%に相当する。 [3]投稿者:Richard Kock(汎アフリカ動物感染症制圧計画(PACE)). 情報は依然不足している、現在最も懸念されるのは、流行が本当に現在も続い ているのかである。 死骸の表皮や(吸血性の)ハエの問題も興味深い。 徹底的な疫学調査が必要な状況である。 ●03-08(0309-0060)#Ea#サルモネラ症、フィンチ-米国(カリフォルニア州): 疑い# 情報源:カリフォルニア州魚類狩猟局(California Department of Fish and Game)、新聞発表。 カリフォルニア州魚類狩猟局(DFG)は、鳥類の感染症拡大を遅らせるため、州 北部の住民に野鳥の餌場を撤去するよう求める。 2005年2月10日に、DFGはミネソタ州で発生した事例と同様に、pine siskinsと 呼ばれるフィンチ(ヒワ・アトリ類)がサルモネラ症に罹患しているとした以下 の通知を州民に発表した。 「DFGは、主に森林地区に生息するpine siskinsとして知られる小型褐色の鳥 類に感染しているサルモネラ症流行の拡大を遅らせるため、少なくとも1ヵ月 間州北部の住民に野鳥の餌場を撤去するよう求めている。」 ヒトへの感染曝露や野鳥からのサルモネラ症感染は、特に気品的な衛生習慣を 励行している限りでは、稀であるし可能性は低い。しかしペットは、特に餌台 の下の鳥類の排泄物に曝露される場合は、この感染症に罹患する可能性がある。 以下、州のウエストナイルウイルスホットラインでは、心配した市民から州北 部の森林地帯全域で死亡したpine siskinsを報告する情報提供を受けているこ と、 野鳥のための餌台を再開するときの留意点、今回の勧告は1年足らずのうちに2 回目であること、詳細な情報入手先。 ●03-08(0309-0070)#C#A群連鎖球菌、劇症型(侵襲性)-米国(アリゾナ州):医 療関係者への感染拡大# 情報源:AZCentral.com。 「食肉細菌」が2人に感染。 Flagstaff医療センターで、いわゆる「食肉細菌」に感染した患者から医療ス タッフへと感染が伝播し、感染者は両名とも重症で入院治療を受けている。州 の保健局は、同院の医師団にその可能性があるとは考えていないものの他のス タッフが発症しないかを監視するよう求めている。保健局はFlagstaffの事例 は、アリゾナ州で患者から医療スタッフへと劇症型A群連鎖球菌が感染拡大し た初の事例であるとしている。同医療センターの当局は、感染がどのように拡 大したか確認できていない。 保健専門家は、人口の約25%が常時咽頭部か皮膚にA群連鎖球菌を保有してい ると指摘している。Flagstaff医療センターの感染症専門家Dr. Mark Lacyは、 「99%の事例では、咽頭炎や小児が罹患する膿痂疹といった比較的良性の感染 である。この細菌が重症感染の原因となるのは極稀である。」としている。 州の統計によれば、アリゾナ州では、1年に訳300例の劇症型A群連鎖球菌感染 患者が発生している。劇症型A群連鎖球菌感染の病態は多岐に渡る。Flagstaff 医療センターの患者の場合は、重症化した。 初発患者は同院に2005年2月9日に入院した。感染は壊死性筋膜炎へと増悪した。 患者は連鎖球菌性毒素性ショック症候群(STSS)と菌血症も合併した。病態が極 めて深刻なため、医師団は患者の左下肢を大腿上部で切断せざるを得なかった。 6日後の2005年2月15日、問題の医療スタッフは、肺炎、菌血症、およびSTSSで 入院した。 [Moderator注:壊死性筋膜炎、いわゆる「食肉病」は、複数の細菌による混合 感染の場合もあるが、単一の細菌特に一般的なのはA群ベータ溶血性連鎖球菌 によっても惹起されうる。以下の参考文献(Davies HDら)に記載されているよ うに多くの症例では基礎疾患の合併がある。この記事は、やはり劇症型A群連 鎖球菌感染を発症した医療スタッフへの感染拡大が認められたため、注目に値 する。記事中には、問題の医療スタッフが基礎疾患を有していたかの記載はな い。 複数の報告が、劇症型A群連鎖球菌感染の発生率増加を示唆している。以下参 考文献を引用したその解説、およびA群連鎖球菌の1種である_Streptococcus pyogenes_感染の解説。] ●03-08(0309-0080)#Ep#ダイズさび病、アジア株-米国(フロリダ州):2005年 初報告# 情報源:Reuters News Service、3月8日。 専門家が、フロリダ州内の耕作地でダイズさび病を確認、2005年初の事例。 フロリダ大学当局は3月8日、大学研究者がPascoの耕作地で非常に伝染性の高 いダイズさび病を確認した、これは2005年初の同疾患確認事例であると発表し た。 以下、関係者による今回の事例の説明、さび病を恐れる米国南部の農業関係者 が、ダイズの作付けの一部を他の植物に転換する予定であること、昨年さび病 が確認された米国内の州名。
by sank100
| 2005-03-10 19:22
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