以前の記事
2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 最新のコメント
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
●04-23(0425-0010)#Ep#イネいもち病真菌、遺伝子配列-中国#
イネにとって脅威となる病害の起因真菌がその遺伝子の秘密を曝け出した。情 報源:香港The Standard紙、4月21日。イネにとって最大の脅威となるいもち 病の原因である糸状菌(真菌の一種)の遺伝子配列を科学者らが解明した。この いもち病という収穫を大いに損なう病害により、毎年6千万人分の食糧にあた る米の収穫が損なわれている。(以下、いもち病菌_Magnaporthe grisea_が稲 作にといって最大の障害となる病害真菌であること、いもち病の症状、アジア 各国でのいもち病の病害の現状、特に日本でも毎年約86万5千ヘクタールの稲 田がいもち病のリスクに曝されていること、いもち病菌のゲノム配列がNature 誌に掲載されたことの記載、論文要約は以下のウェブサイト参照: Dean RA, et al. Nature 2005; 434: 980-986. ●04-19(0425-0020)#C#日本脳炎-中国からベルギーへの輸出例(04)# 投稿者:コロラド州立大学獣医生物医科学部微生物免疫病理学教授Charlie Calisher、4月19日。日本脳炎(JE)が常在あるいは季節的に流行する地域への 渡航者において如何にしてJEを予防するかという議論依頼[ProMED-mail 20050414-0070日本脳炎-中国からベルギーへの輸出例:情報提供依頼]への回 答として、日本脳炎ウイルス(JEV)感染(日本脳炎感染ではなく)予防法の一つ はワクチン予防接種を受けることであると思う。院内感染はこじつけstretch のようである[Moderator注:不法拘束の意味か?]。中国人は確実にJEV感染を 診断することを可能にすべきであり、そのため私はこの患者が最初の発症時に JEV感染ではなかったのではないかと疑っている。10歳の少女がベルギーから 中国へ渡航したことが極めて強調されている;最初のエピソードの原因として ヘルペスウイルスを原因だと考える人は居ないのであろうか?この少女は(中 国で)最初の検査を受けた際JEV抗体は抗体価陰性であったが、2004年8月24日 の第2病期あるいは2回目のエピソード時の抗体価は以下のようである:IgG=32 倍、IgM=256倍;10月2日:IgG=256倍、IgM=32倍。 8月24日の結果は相対的にIgM高値、IgG低値で感染がつい最近のこと(少なくと も過去2週間以内かその前後)であることを示しており、10月2日の結果は診断 的に有意なIgG抗体価の上昇(8倍)と、診断的に有意なIgM抗体価の低下(1/8)を 示しており、(既知の)最近の感染を示している。私の推測では、あくまでこれ は純粋に推測であるが、患者は8月24日の1週間から2週間前に感染した可能性 が最も高い。2004年7月中旬の入院は最初のエピソードによる入院と思われる。 もしこの少女が2004年7月上旬にJEVに感染していたならば、この少女のIgG抗 体価とIgM抗体価は入院時に検出可能であったはずであり、もしそうでなけれ ばその後この少女のIgG抗体価は8月24日時点で32倍以上であったはずである。 2回目のエピソードは2回目のJEV感染であったと思われる。しかしながら(a)個 人差があり必ずしも全員が教科書的な抗体反応を示すとは限らない、(b) IgM 検出に使用したアッセイはおそらく抗体捕捉ELISA法と思われる、(c)私はコロ ラド州在住で患者ははるかかなたに在住すること、などから以上はあくまで推 測の域を出ない。この少女が最初に入院した際に、中国人医師が血液でJEVウ イルスRNAのPCR法を実施しなかったことはあまりにもお粗末である。もし血液 検体がまだ入手可能であれば、いまからでも実施すべきだ。この患者は非常に 医学的に興味のある事例である。 [Moderator注:Dr Calisherの指摘の中で(a)個人差があり必ずしも全員が教科 書的な抗体反応を示すとは限らない、という記述は興味をそそられる。HIVな どのその他のウイルス性疾患でも認められるように、時に緩徐な免疫反応を示 すことも稀ではない。] ●04-24(0425-0030)#C#クリプトスポリジウム症-イギリス、スコットランド地 方(Perthshire地域)# 200名が野生動物探訪のあとでクリプトスポリジウム症感染のおそれ。情報源: The Scotsman、4月24日。胃腸炎を来たす腸管原虫クリプトスポリジウムに感 染した成人小児の数が引き続き増加し200名以上が感染した可能性が懸念され る中で、この公衆衛生上の脅威の中心となっている人気のある野生動物公園は 引き続き2005年4月23日も開園したままとなっている。 今週[2005年4月第4週]前半に、Perthshire地域Comrie近郊のAuchingarrich 野 生動物センターを訪問した後でクリプトスポリジウムに感染した6名の小児が 入院した。 2日前に在Tayside国立保健サービス局NHSは、この感染性の強い寄生虫に感染 した13名のクリプトスポリジウム症確定患者と18名の感染疑い患者が、保健当 局の流行対策チームに届け出られたことを明らかにした。クリプトスポリジウ ム症は嘔吐、下痢、発熱を来たす。しかし4月23日時点で感染確定患者数は32 名に増加し、同様に200名の感染疑い患者も保健当局に報告された。 これらの小児成人らは、野生動物センター動物飼育舎で生まれたばかりの子羊 に触れたり、手渡しで餌をやったりしているうちにクリプトスポリジウムに感 染したと考えられている。予防的措置として子羊は既に公園から除去された。 在Tayside国立保健サービス局NHS広報官は4月23日以下のように述べた:「現 在32名の確定患者がいるが、我々は患者数が引き続き増加するようと予測して いる。Auchingarrich 野生動物センターを訪問したさらに200名の人々が、ク リプトスポリジウム感染に一致する症状を発症したと報告している。(以下、 200名が疑い患者数であり確定には検査室診断が必要であること、来週早々に は結果が判明する見込みであること、小児1名はまだ入院中であるが重症患者 は発生していないこと、対策内容を述べるコメント。クリプトスポリジウム症 の症状とスコットランド地方における過去の流行事例の解説。後略。) [Moderatorにより、2003年3月~10月にもスコットランド地方から200名以上の クリプトスポリジウム症患者報告があること。クリプトスポリジウムは通常ヒ ツジでなくウシに寄生する腸管原虫であるが、必ずしもいつも動物との接触に リスクがあるわけではなく、動物との接触時その動物が下痢している際にリス クとなること。その他の動物との接触により感染リスクがある疾患として腸管 出血性病原性大腸菌(VTEC)があることの解説。]
by sank100
| 2005-04-26 05:58
| ProMed-mail
|
ファン申請 |
||