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●06-02 (0604-0010)#Er#HIV/AIDS:国連報告#
AIDS汎流行の進行速度は流行対策を上回る。情報源:Reuters Foundation AlertNet、6月2日。AIDS対策に使用可能な予算はせいぜい上限80億米ドル程度で あるが、汎流行の進行速度は予防対策を上回っており、特にそれは女性や少女の 感染者において著明であると、2005年6月2日開催の国連高等弁務官フォーラム用 に作成された報告書は述べている。(以下、国連会議で対策の対応能力を上回る HIV/AIDSの感染拡大が問題になっていることを報じる記事と、各国の対策状況、 有効な治療を受けられる患者は全体の12%に過ぎず、特に年齢15歳~24歳の年齢 層で感染拡大が深刻なこと、対策予算が限られていることの記載、後略。) ●06-02 (0604-0020)#C+#日本脳炎-日本(02):ワクチン接種中止# 投稿者:ワシントン州小児ワクチン予防接種計画日本脳炎予防接種計画部門責任 者Julie Jacobson医師、6月2日。日本政府が現在日本で唯一認可されている不活 化マウス脳由来日本脳炎ワクチンを使用した政府勧奨日本脳炎(JE)ワクチン予防 接種計画の保留を公表した。ワクチンの認可は保留されず、個人の要望でワクチ ンは入手可能である。加えて新たに2種類の細胞培養ワクチンが日本で開発最終 段階にあり(現在臨床第3相治験が進行中)、早ければ2006年にも認可される見込 みである。 予防接種のいかなる重症副作用リスクを考慮したとしても、日本脳炎は致死率が 最高30%にも及ぶ疾患であり、生存者の約1/3が重症の神経学的後遺症を残す。 非常に稀ではあるが事実発症することが知られている急性散在性脳脊髄炎(ADEM) などの不活化ワクチン予防接種後の副作用があることが、安全性を向上させた新 規JEワクチン開発が急がれる理由である。現在入手可能な他のJEワクチンは弱毒 生ワクチンであるSA 14-14-2株である。この生ワクチンは極めて安全性が高く、 今日までの研究では副作用は出現していない(文献1,2,3)。生産開始以降このワ クチンで2億名以上の小児が予防接種を受けており、このワクチンは中国、ネ パール、韓国で認可されている。加えて新たに2種の細胞培養JEワクチンと、他 の細胞培養ワクチン、混合型あるいはその他の型のワクチンが現在開発中であ る。 JEは鳥類やブタ類を主要な増幅宿主として循環する性質のある疾患であり、その ため根絶不可能な疾患である。ヒトの抗体保有率やブタにおける抗体陽転化を確 認する定期的な研究により、このウイルスはいまだに日本で感染循環しており、 しばしば感染者において重篤な後遺症を残すことが示されている。最近2002年日 本の中国地方におけるJE流行において患者6名中5名が重篤な転帰をとっており、 1名は死亡している(文献4)。日本で診断されるJE患者数が少ないことは、感染循 環しているウイルスが存在しないためではなく、予防接種計画の成果である。新 規JEワクチンが入手可能となった場合、政府の予防接種計画と戦略が再考される ことを期待する。(文献4件の記載)。 [Moderatorにより疫学上のJEワクチンの必要性を強調し、安全性の高いワクチン 開発が早急に望まれるとのコメント。] ●06-03 (0604-0030)#Ea#原因不明の大量死、家禽-ブラジル(Mato Grosso do Sul州)(03)# 原因不明の疾患:原因不明の疾患感染のためブラジル家畜当局が1万7千羽のニワ トリ処分を命じた。情報源:Meat News Daily、6月3日。 ブラジルで原因不明の呼吸器疾患により6千羽のニワトリが大量死し、当局はそ の他1万7千羽の処分を命じた。 AP報告によれば、当局はこの疾患が何であるか突き止めておらず、ブラジル農業 局も質問に黙秘を続けている。しかしながら農業省動物衛生局責任者は、検査室 診断で既に鳥インフルエンザの可能性は却下されており、農業省は疾患制圧を確 実なものにするためにあらゆる対策を実施していると主張した。(以下、当局に よるMato Grosso do Sul州Jaraguari町近郊の養鶏場封鎖と、検査結果が6月7日 判明見込みであることの記載、後略。) [Moderatorにより、ニューカッスル病 (NCD)や伝染性喉頭気管炎Avian infectious laryngotracheitis (ILT)に対する 予防接種状況が不明であるが、検査に要する時間から鶏卵胚接種法などが実施さ れていると思われ、鑑別診断として鳥インフルエンザ以外にNCDやILTが挙げらる とのコメント。] ●06-01 (0604-0040)#Ec#告知2005年(05):イギリスBioMed Central社獣医学研 究誌BMC Veterinary Research発刊のお知らせ。投稿者:Mary Marshall、6月1 日。 イギリスBioMed Central社から獣医学専門誌BMC Veterinary Research発刊の告 知。 ●06-02 (0604-0050)#Ep#トマト葉巻病Tomato leaf curl virus、ニューデリー 株-インド# インド産ハトマメにおけるトマト葉巻病ウイルスbegomovirusの自然発生。情報 源:イギリス植物病理学会誌New Disease Reports, Vol. 11、6月2日。 ●06-03 (0604-0060)#Ea#カラス大量死-インド(Mumbai市、Khar-Bandra地域): 情報提供の依頼# [1]カラス過剰死、ウエストナイルウイルスの可能性。投稿者:インドChristian 医科大学臨床ウイルス学元教授T. Jacob John、6月3日。フランスへの渡航途中 Chennai空港で2005年5月29日Hyderabad版Times of India紙を読んだが、その中 で300羽以上のカラスがMumbai郊外で落下死亡していたとの報道があった。 この事件はニューヨークにおけるウエストナイルウイルス(WNV)流行をほうふつ とさせる。 私はインド医学研究会議、国立感染症研究所(いずれも在デリー)に警告を送っ た。私は人々がカラス大量死を深刻に捉えないことを懸念する。私は死亡したカ ラスのWNVに関するウイルス学的検査を緊急に要請した。WNVはインドで大量に発 見される蚊族ネッタイシマカ(_Aedes aegypti_)により媒介される。ヒト感染症 状は脳炎や、脳炎を伴わない発熱などである;とりわけ高齢者ではある程度の致 死率がある。 みなさんはこの事件を注意深く見守り、経過観察しているであろうか? [2]カラスの死亡原因は?情報源:Mumbai Newsline、ムンバイ、インド、6月3 日。ムンバイ市内で死亡するカラスが増加し、その死亡原因が同定できないこと を、環境学者らや医師らは懸念している。(以下、ムンバイ市で363羽、 Khar-Bandra地域で150羽以上のカラスが大量死し、その原因が不明であることの 記載、後略。) ●06-03 (0604-0070)#C#サルモネラ症、食中毒、死亡患者-米国(サウスカロライ ナ州)(03):シチメンチョウ# 加熱不十分なシチメンチョウがサルモネラ症流行原因として最も可能性が高い。 情報源:サウスカロライナ州保健環境制御局記者発表、6月3日。 Camden地区における食中毒流行の原因可能性として、シチメンチョウ検体から検 査室診断でサルモネラ菌_Salmonella enteritidis_ [Moderator注:正確にはゲ ルトネス菌_Salmonella enterica_ serotype Enteritidisのことで、慣用的には _Salmonella_ Enteritidisと属名・種小名はイタリック体、血清型は頭文字大文 字表記。] が分離されたと、2005年6月3日サウスカロライナ州保健環境制御局が 公表した。患者から採取された臨床検体20検体からも同じ菌が検査陽性となり、 この菌は動物や鳥類の消化管に棲息し、動物由来汚染食品を介してヒトに感染伝 播する。(以下、人畜共通感染症であるサルモネラ症感染源が加熱不十分なシチ メンチョウである可能性が高く、これまで5月19日から22日までに確定および疑 い患者304名と、入院患者56名が報告されていること、調査状況と当該レストラ ンの安全基準HACCP遵守状況、感染予防対策内容を述べる当局者のコメント、後 略。) ●06-03 (0604-0080)#Ea#原因不明の大量死、タスマニアデビル-オーストラリア (05)# 投稿者:Richard Brown、6月3日。イヌ可移植性性器肉腫TVT [transmissible venereal tumor of dogs]は90%以上の患畜で自然治癒するが、ある確率で非常 に治癒困難となることもあり、稀には転移することもある。こうした疾患経過は 宿主の免疫抑制状態に起因すると考えられている。 この腫瘍は非常に放射線感受性が高い。私は彼らがタスマニアデビルに放射線療 法を試みたかどうか知りたいと思う。 私はベリーズに滞在中にそこで非常に多数のTVT感染患畜を経験した。 [Moderatorにより過去の一連の記事中でTVTとタスマニアデビル顔面腫瘍性疾患 (DFTD)の異同について議論があることの紹介。] ●06-01 (0604-0090)#C#コレラ、下痢症&赤痢最新情報2005年(21)# 目次:アジア: [1]下痢症、コレラの可能性-インド(アッサム州)。 [2]コレラ-インド(デリー)。 [3]コレラO139型-インド(Kolkata)。 アフリカ: [4]コンゴ民主共和国(Goma地方)。 世界各国: [5]コレラ-世界各国-WHO WER届出。 [1]下痢症、コレラの可能性-インド(アッサム州)。下痢症犠牲者救援に陸軍動 員。情報源:Imphal Free Press and KanglaOnline.com、6月1日。コレラが疑わ れる急性下痢症の突然の流行報告のため、陸軍医療チームがPHC Sugnuを支援す るためSungu近郊Bongjang村とKheimul村へ急行した。PIB defense wing情報によ れば陸軍医療チームは必要な救命用医薬品を供給し、患者治療を実施するPHC Sugnuへも物資を補給する。(以下、患者25名が感染し小児4名が死亡したことの 記載。) [2]コレラ-インド(デリー)。デリーで2ヵ月間に197名のコレラ患者が報告され た。情報源:OutlookIndia.com、5月30日。髄膜炎菌性疾患が終息傾向にあるの に、首都でコレラ発生が検知され、過去2ヵ月間に197名もの患者が報告された。 デリー自治体公社(MCD)が公表した統計によれば2005年4月4日から5月28日の間に 197名のコレラ患者が報告されている。一方今年これまでのコレラ患者総数は211 名にとどまっており、コレラによる死亡患者は報告されていない。しかしながら 2005年のコレラ患者数は、2004年同じ時期に比較して非常に少ない。2004年には 4月から5月の2ヵ月間で640名ものコレラ患者が報告されている。2004年のコレラ 患者総数は1,784名である。2003年には1,528名のコレラ患者が報告された。一方 MCD当局は彼らがコレラ予防のために幾段階もの対策を講じており、例えば塩素 含有量をチェックするための保健局による水検体の検査や、Delhi Jal Boardが 水を供給していない地域への塩素消毒錠剤の配布などを対策として挙げた。 [3]コレラO139型-インド(Kolkata)。コレラが薬剤耐性株に変化か?情報源: ExpressIndia.com、5月30日。今年[2005年]は新規薬剤耐性変異株コレラが発生 する可能性があると感染症病院医師らが述べた。「次第に多数の患者がコレラ菌 _Vibrio cholerae_O139型として知られる特定の株に感染するように変化してき ている。この株は従来我々が経験してきたコレラ菌_Vibrio cholerae_O1型に比 較してより抗生物質耐性が強い」と主任医師は述べた。(以下、調査研究概要と O139型分離頻度増加の記載。) [4]コンゴ民主共和国(Goma地方)。上水道施設職員ストライキによりコレラ流行 発生。情報源:New York Times、6月3日。コンゴ東部の上水道浄化施設における ストライキによりコレラ流行が発生し、結果として数百名がコレラに感染し、 少なくとも4名が死亡したと保健当局が公表した。今回の湖畔の町におけるコレ ラ流行は、政府が運営するGoma上水道処理施設の職員55名が一年以上も賃金不払 いであるとしてストライキを敢行したことが原因であるとNorth Kivu州疫学専門 官主任Dr. Guy Mutombo Ndongalaが述べた。このストライキにより処理施設が閉 鎖され、Gomaの人口50万人の住民が、水系感染症の感染源となったKivu湖から飲 用水を採取することをやむなくされた。(以下、過去2週間で4名が死亡、200名以 上が感染したコレラ流行と、賃金不払いが2002年1月の火山爆発の影響により大 部分の施設が破壊されたことが原因であること、コンゴ民主共和国東部Eastern Congoが1996年と1998年の隣国ルワンダとウガンダの侵攻以後10年近い内戦状態 に見舞われ、内戦終結後2003年に暫定政府が設立されたが、その暫定政府も無法 地帯である東部には殆ど影響力が無いことの記載。) [5]コレラ-世界各国-WHO WER届出。2005年5月27日から6月2日までの間に受領し たコレラ届出。情報源:WHO Epidemiological Record、6月3日。 国/期間/患者数/死亡患者数: アフリカ: コンゴ民主共和国/4月4日~5月15日/1,762名/…、 リベリア/4月2日~5月22日/506名/ 0、 セネガル/5月16日~22日/766名/8名、 アジア: 日本/5月10日~13日/6名(輸入患者6名)*/…。 [Moderator注:*この6名の患者は前回のWER報告患者と同一と思われる。] ●06-03 (0605-0010)#Ep#細菌性さび病、バナナ-コンゴ民主共和国# コンゴ民主共和国(DRC)におけるバナナキサントモナスさび病(_Xanthomonas campestris_ pv. _musacearum_)の存在。情報源:イギリス植物病理学会誌New Disease Reports, Vol. 11、6月3日。 ●05-31 (0605-0020)#Ea#鳥インフルエンザ、野生の水鳥-中国(03)# [1]中国:鳥インフルエンザと口蹄疫制圧対策。情報源:CRI Online英語版、5月 27日。中国は最近動物と鳥類において発見された鳥インフルエンザと口蹄疫 (FMD)感染拡大を食い止めた。CRIの記者Xiaoyuはどのようにして農業省がこの問 題を制圧できたかを我々に語った。2005年4月から5月にかけて中国4つの地域で FMDが発見された。鳥インフルエンザ流行により中国西部で1,000羽以上の野生の 鳥類が死亡した。(以下、感染農場の封鎖や消毒目的の専門家派遣、検査体制の 強化、ワクチン予防接種と感染動物の処分などFMD対策内容の記載と、家禽のワ クチン予防接種、自然保護区の閉鎖など鳥インフルエンザ対策の記載。) [2][付記:中国政府が1,000羽以上の鳥類が死亡しているのが発見されたと記者 会見で公表する前に、Dr. Jolyは以下のコメントを書いたと述べた。] 中国;野生の鳥類における鳥インフルエンザ(H5N1型)。情報源:国際旅行医学会 ISTM Travel Medicine、5月30日。最近数件の高病原性鳥インフルエンザ(H5N1 型)発生が中国青海省Xinin西方の青海野生動物保護区から報告されており、この 地域はH5N1型の既知感染地域を広範囲に拡大させる結果となった。今回の報告以 前に、現行のH5N1型鳥インフルエンザ流行は東南アジアでは制圧されたと考えら れていた。 (以下、H5N1型鳥インフルエンザ流行が野生動物保全に与える影響として、野生 の鳥類がH5N1型増幅媒介宿主となっている可能性と、野生鳥類を処分するわけに いかないため対策は野生鳥類と家禽の接触忌避や家禽ワクチン予防接種に限られ ること。汎流行の危険性など社会的にニュースとして取り上げられる理由、野生 動物保護区の閉鎖や家禽予防接種、ヒト患者スクリーニングの強化など感染制御 制圧法の記載。また死亡原因やウイルス分離状況などの情報公開がなされておら ず未知の重要な情報が多いことや、中国語の投稿型ウェブサイトでヒト患者を報 じる記載などもあることの指摘、原文参照。) [Moderatorにより、記事掲載の遅 れを詫びる謝罪と、各記事の重要性と不明な点が多いことの指摘。] ●06-04 (0605-0030)#C#マラリア-インド(アッサムAssam州)# アッサムAssam州におけるマラリア流行。情報源:NewIndPress.com、6月4日。 少なくとも25名がマラリアにより死亡し、1万名以上が感染したため、マラリア がアッサム州で流行閾値に達したと推定されると保健当局が2005年6月3日述べ た。 「最高度の警戒宣言がアッサム州全域に発令され、医学チームが休み無く地域に おけるマラリア流行を調査している」と保健当局は述べた。少なくとも死亡患者 のうち15名は先週アッサム州東部Karbi Anglong地区から報告された。「我々は 州内の他の地域からもマラリア死亡報告を受け取っているが、Karbi Anglong地 区の状況は最も深刻である」と当局は加えた。 専門家らはアッサム州における過去2週間に渡る激しい降雨がマラリア流行を引 き起こしたと述べた。マラリアの初発症状は高熱と悪寒戦慄であり、時には下痢 や胃痛も伴うと医師らは述べた。(以下、Karbi Anglong地区が辺境地であるため 医療機関受診が遅れ、しばしば手遅れになってから医療機関に連れてこられると の現地医師コメントと、北東部が「マラリア多発地域」であり年間推定500名が マラリアにより死亡すること、対策内容の記載、後略。) ●06-04 (0605-0040)#Ea#トリコモナス症、鳥類-米国(ネバダ州)# 野生鳥類に餌付けをしているネバダ州北部住民はその優しさのあまり野生鳥類を 死亡させているかもしれないと、今週野生動物当局が警告。情報源:Reno Gazette-Journal、6月4日。鳥類の間で唾液により媒介される疾患により、鳥の 餌付け台や水浴び場の設置が、疾患感染拡大の主要な感染源となっていると、あ る疾患専門家が述べた。こうした理由により、餌付け台や水浴び場を希釈次亜塩 素酸で洗浄し、来るべき冬まで設備をしまうように鳥類愛好家は促されている。 (以下、寄生虫トリコモナス_Trichomonas gallinae_による鳥類気管・気管支の 閉塞と、餌付けや水浴びがトリコモナス症流行を拡大している可能性の指摘、飼 育鳥類なら抗寄生虫薬が有効であるが野生鳥類集団では薬剤使用が困難であるこ との記載、後略。) ●06-04 (0605-0050)#C#リーシュマニア症-ニカラグア(Jinotega州)# 北部ニカラグア、リーシュマニア症。情報源:Mi Punto.com Noticias、6月4 日。 北部ニカラグアでリーシュマニア症流行により667名が感染した。ニカラグア保 健省は2005年5月25日、"mountain leprosy"[Moderator注:おそらくは皮膚リー シュマニア症のことか?] として知られるリーシュマニア症にニカラグア北部の 村の僻地労働者667名が感染したと報告した。 「我々は患者増加、とりわけ小児患者増加を観察している。こうした理由で患者 を支援し、感染者数を検知する目的で検査室診断を実施するために、我々は保健 医療チームを派遣した」とニカラグア保健相は述べた。 感染は首都の北方162kmにあるJinotega省Cua郡の13ヵ村に拡大したが、保健省は この地域に医薬品の供給や発病患者の支援目的で保健医療チームを派遣した。患 者大部分は年齢15歳以下の小児である。最もリーシュマニア症感染が深刻な地域 は僻地労働者332名が感染したEl Galope村であり、この疾患はサシチョウバエ _Phlebotomus_と呼ばれる昆虫の刺咬により媒介され、皮膚の潰瘍や破壊を来た す。この媒介昆虫は例年Jinotega地域、とりわけCua郡では雨季に繁殖し、昨年 Cua郡では昨年2004年233名のリーシュマニア症患者が報告された。 [Moderator注:中央アメリカでは皮膚リーシュマニア症が常在土着感染してい る。いくつかの種類のリーシュマニア[_Leishmania braziliensis_, _L. panamensis_, _L. infantum_ (_L. chagasi_)] が遺伝子タイピングで同定され ている。(文献:Zeledon et al. Arch Inst Pasteur Tunis. 1993; 70: 325-9. Convit et al. Trans R Soc Trop Med Hyg. 2005; 99: 13-7.)] ●06-04 (0605-0060)#C#サイクロスポーラ症-米国(フロリダ州)(03)# サイクロスポーラ症の可能性感染源が同定された。情報源:WFT News、6月4日。 寄生虫性疾患サイクロスポーラ症流行の原因として汚染生バジルが最も疑われ、 この流行により300名のフロリダ州住民が発病したと、州保健局が2005年6月3日 公表した。(以下、生バジルの生産元や販売店は不明であるが、医薬食品局FDAが 追跡調査に同意したこと、サイクロスポーラ症の症状と転帰、サイクロスポーラ 症は野菜や果物の洗浄では予防できないが死亡することは無く、抗生物質に良く 反応することを解説する州保健局広報官のコメント。) ●05-30 (0605-0070)#Ea#炭疽、ブタ-ロシア(Rostov地域)# Rostov地域でブタ炭疽事例。情報源:Gazeta.Ru information source、5月30 日。 Rostov地域Dubovsk地区で単発例の動物炭疽事例が発見された。この情報は Rostov地域ロシア連邦緊急事態省からもたらされた。この事例はSirotskiy村の ブタで報告された。 この情報筋によれば、この動物(ブタ)はある家庭で屠殺され、販売前に検査のた め提出された。検査と衛生疫学監視結果から、スタッフが肉の中から炭疽菌 _Bacillus anthracis_を発見した。追加検査でこのブタが確かに炭疽に感染して いることが確認された。 Sirotskiy村では92名が炭疽ワクチン(曝露後?) 予防接種を受け、検疫隔離が実 施されている。 [Moderator注:この報告には整合性が無い。もし死骸が「販売前に」検査のため に提出されていたらなぜ当局は92名にワクチン予防接種を実施したのか?論理的 に考えれば、村で一連の発病した動物がおり、当局がいないまま誰かが処分した のであろう。ブタはある程度炭疽に抵抗性であり、死亡前に炭疽と気付かれる か、あるいは必ずしも炭疽で死亡しない。感染したブタでは口腔咽頭病変や浮腫 は稀である。また今は夏季であるため、地方当局が今回の流行の感染源を発見し たかどうか尋ねる人もあろう。これらが大規模商業用飼育ブタであれば餌が汚染 されていた可能性を考えるであろうが、ロシアにおける間接的な証拠しかない。 僻地の小規模養豚場で飼育されていたブタなら死亡して解体されたヒツジやウシ の内臓から感染したに違いない。] ●06-04 (0606-0010)#Ep#Tomato chlorosis virus、トマト-フランス(レユニオ ン島):初報告# レユニオン島トマトにおけるTomato chlorosis virus発生。情報源:イギリス植 物病理学会誌、New Disease Reports, Vol. 11、6月4日。 ●06-04 (0606-0020)#C#手足口病-台湾(中部)(03)# エンテロウイルス感染は制圧された:保健省。情報源:Central News Agency、6 月4日。小児50名に感染し死亡患者5名を出した今回のエンテロウイルス流行は制 圧されたと、2005年6月4日台湾中部の台中Taichung市を視察中に保健相Hou Sheng-mao氏が述べた。「エンテロウイルス感染症はピークの時期にあたるが、 全体的な状況は良好に感染制御されている」とHou保健相は、台湾中部地域の流 行状況をよりよく理解する目的で訪れた台中退役軍人総合病院Taichung Veterans General Hospital査察後に述べた。最も喜ぶべき発見はエンテロウイ ルス株が明らかな突然変異をしていなかったという点であるとHou保健相は加え た。 流行は今後2週間ピークを迎えると予想されるため、Hou保健相は医療関係者らや 若年小児を持つ両親らに対して今後のエンテロウイルス感染拡大を予防するよう 警戒を怠らないよう注意を促した。エンテロウイルス類は感染者の分泌物との直 接接触や、汚染された環境表面や汚染物との接触から感染伝播する事に触れ、 Hou保健相は各個人が良好な衛生行動を実践することが感染予防に重要であると 述べた。 [Moderator RYにより、上記記事ではウイルス突然変異が認められないと述べて いるが、手足口病原因となるエンテロウイルス71型(EV71)などのRNAウイルスは 常に突然変異する性質を持ち、EV71のウイルス性カプシド蛋白VP1を標的とした 特異的ウイルス阻害剤Pyridyl imidazolidinoneもVP1蛋白第192アミノ酸1位置換 だけでもウイルス阻害作用が失われることの指摘。またModerator MPPにより前 回報告より患者数・死亡患者数とも増加しており、今後2週間でピークを迎える とは不思議な予測であるとの指摘。]
by sank100
| 2005-06-06 20:36
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