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●06-09(0610-0030)#C#野兎病、ウサギとの接触-米国(アリゾナ州)#
野兎病患者2名が報告される。 情報源:Arizona Daily Sun。 Coconino郡在住の成人と小児が、皮を剥がれたウサギと接触して、野兎病(ツ ラレミア)と診断された。成人患者は問題のウサギの皮を剥ぎ、小児は作業中 にウサギの組織に接触した。両名ともその後快復している。 野兎病 (英語ではtularemia、rabbit fever、deer fly feverと呼ばれる) は、 ウサギや他の哺乳類に感染する細菌性感染症である。ヒトには通常感染したウ サギの皮剥作業中や、サシバエ(deer fly = _Chrysops discalis_) やマダニ (注:文献的にはwood tick= _Dermacentor andersoni_, dog tick= _D.variabilis_などがあげられている) による刺咬によって感染伝播される。 症状は、曝露局所の痛み、リンパ節腫脹、発熱、悪寒、頭痛および嘔気であり、 曝露後1~14日で発症する。 屋外活動の多い(を好む)人は、感染した動物が使用する可能性のある池で泳い だり、殺菌・消毒しないで水を飲んだりしないよう勧告される。 [Moderator注:野兎病の病因である野兎病菌_Francisella tularensis_はカテ ゴリーAの生物テロ病原体である。ウサギの皮剥に伴う症例は、通常リンパ節 型か潰瘍リンパ節型感染を来す。大規模な流行、特に東ヨーロッパやアジアで のそれは、汚染された水が感染源となることがある。 生物学テロの際の想定される野兎病菌がエアロゾルによって伝播された場合の 肺炎型野兎病 (Pneumonic tularemia) は、重症で致死性の肺炎を引き起こす 可能性がある。しかし、生物学テロではなく、肺炎型野兎病症例が発生した事 例(ニューヨーク市、マサチューセッツ州Marthaのブドウ園での事例)が報告さ れている。肺ペストとは異なり、肺炎型野兎病は、ヒト・ヒト感染はしない。] ●06-09(0610-0040)#C-#サルモネラ症、ヒト患者、ペット用おやつ-米国、カ ナダ:回収# [1]ヒトでのサルモネラ症が発生したため、イヌ、ネコ用おやつが回収される。 情報源:KGO-TV (San Francisco, CA)。 米国ワシントン州のTW Enterprises of Ferndale社が販売し、同社名とAron Pet Food社名で米国内およびカナダで頒布されている6種類のイヌ、ネコ用お やつが、そのペット用おやつによるヒトでのサルモネラ菌(Salmonella Thompson [_S. enterica_ 血清型 Thompson])感染事例が発生したことを受けて、6月7日に回 収された。 この菌株による感染症例5名(3名はカナダで、2名は米国で発生)は、問題のペ ット用おやつを取り扱った人々から発生したと、米国食品医薬品局による新聞 発表の中でTW Enterprises社が明らかにした。同社は、問題のペット用おやつ 購入者は、それをペットに与えず、安全な方法で廃棄すべきとしている。 以下、回収対象となったペット用おやつの種類とUPCコード番号。 カナダブリティッシュコロンビア州にあるAron Pet Food of Abbotsford社は、 同社ブランドで販売するためTW Enterprises社から加工前の原料を輸入してい る。FDAのよる声明では、Aron Pet Food of Abbotsford社もこうした製品の回 収を実施していると明らかにした。 [2] TW Enterprises社は、サルモネラ菌汚染のため自社製ペット用おやつを全 国で回収。 情報源:米国食品医薬品局。 ワシントン州のTW Enterprises of Ferndale社は6月5日、サルモネラ菌 Salmonella Thompson [_S. enterica_血清型Thompson]の汚染されている可能 性があるため、同社製のペット用おやつ製品の一部を回収していると消費者に 警告した。これらの製品に接触し、その後十分に手洗いを行わない場合は、サ ルモネラ菌に感染する恐れがある。 以下、[1]に要約されて報じられたTW Enterprises of Ferndale社による今回 のサルモネラ症患者発生事例を受けた製品回収の発表内容。 [_S. enterica_ 血清型 Thompson汚染が、動物由来である場合は、主として牛 肉に関連しているようである。1例としては、1999年に公表された、加熱不十 分なローストビーフを食べて52名がこの菌株に感染した集団感染事例があげら れる。以下の参考文献にあるように、レタスによる集団感染やシラントロ(セ リ科の香草の一種、中国パセリ)による患者76名が発生した事例のように、汚 染された農産物が患者発生の感染源となることもある。 2001年に米国では、(ペット用おやつを含む)ペットフードの照射(殺菌)が認可 された。上記の記事では、問題の製品が照射されていたか記述されていない。 回収対象となった製品がサケ、エビ、牛肉が原料であることから、汚染の経路 も明らかではない。- Mod.LL] [イヌやネコの感染症例が報告されていないのは、興味深い。- Mod.JW] ●06-09(0610-0050)#C#A型肝炎-ロシア(Tver地域)# Tver地域でA型肝炎流行が拡大中。 情報源:Itar Tass News Agency、6月9日。 ロシアの主任衛生学者Gennady Onishchenko氏は6月9日に発行された Rossiskaya Gazeta紙とのインタビューの中で、「Tver地域でA型肝炎流行が拡 大しているため、Moskva川近くの下水を浄化する緊急対策が実施されている。」 と語った。 モスクワから南に480kmに位置するTver地域のRzhev市での被害が最も大きい。 Onishchenko氏は、「これ以上の感染拡大を防止することが重要だ。」と指摘 した。公衆衛生専門家らは、ケータリング、小売り、上水道および下水道の管 理強化を試みている。医学生らは、症状について戸別訪問により市民の聞き取 り調査を行っている。Rzhev市では、ケータリング関係者にワクチン接種が行 われる予定である。 Onishchenko氏は、モスクワの疫学中央研究所、サンクトペテルブルクのパス ツール疫学研究所およびGabrichevsky疫学研究所が、専門家をRzhev市に派遣 し、診断検査室がRzhev市内に設置されたと述べた。また、モスクワも流れる Moskva川の汚染を防止するため、Rzhev市内の浄化が決定され、下水処理のた めの対策が実施されていると加えた。 Tver地域の情報提供者は、Tver地域南西部ではA型肝炎発生は増悪を続け、患 者数は、小児75名を含め、352名に達したと伝えた。6月8日時点で、Rzhev, Zubtsovskyおよび Olenensky地区での患者を含め、その他に67名が肝炎症状で 入院している。追加のA型肝炎ワクチンがRzhev市に配送される予定である。 [最近ロシア全域で、下水処理施設の破綻、一般生活用水の汚染、上水供給の 不備のため、A型肝炎流行が発生している。社会資本の改善が優先されるべき であるが、ロシアへの全旅行者にはA型肝炎ワクチン接種が勧奨される。- Mod.CP] ●06-09(0610-0060)#C-#集団食中毒、軍隊-ロシア(極東):情報提供依頼# 国境警備隊員100名以上が食中毒のために入院。 情報源:Interfax.ru。 ロシアのKurile Islands (千島列島)に駐留する部隊の国境警備隊員117名が6 月8日、集団食中毒のため入院したと、ロシア国境警備隊当局が6月9日 Interfax通信社に明らかにした。 「罹患した隊員達は、現在危機的な病態からは脱した。隊員の多くはすでに任 務に復帰した。」としている。 [今回の集団食中毒の症状には触れられていない。しかし「現在危機的な病態 からは脱した」の表現から、重症であったことが示唆される。この事例の原因 について、さらなる情報が有用であろう。以下、Kurile Islands (千島列島) の位置と日本の北方領土問題が存在する地域との解説- Mod.LL/JW]
by sank100
| 2005-06-13 09:54
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