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●09-21 (0922-0070)#Er#鳥インフルエンザ、ヒト患者-東アジア(132)#
WHO-アジア各国は、鳥インフルエンザ制圧のため、古来の農業生産様式を変 えるべきである。 情報源:Reuters report、9月21日。 アジア各国は、鳥インフルエンザを制御するためヒトと家禽との接触を減らし、 新たな動物感染症がヒトに感染することを防止するように、古来の農業生産様 式を変えるべきであると、9月21日にWHOが発表した。アジア・太平洋地域での 新興感染症対策5カ年計画を開始するに当たって、WHOは、平均して1種類の新 興疾患が過去20年間毎年、主にアフリカとアジアで発生しており、最終的には 汎流行となる可能性があると指摘した。WHO西太平洋地区代表のDr Shigeru Omi氏は「鳥インフルエンザが制圧されたとしても、次が待っている」「津波 や地震のようなもので…その正確な時期は予想できない」と、南太平洋ニュー カレドニアの首都Noumeaで開かれたWHO西太平洋地域年次会議で述べた。 鳥インフルエンザは、最初2003年にSARSが制圧されたわずか数ヵ月後に、韓国 で検知され、数ヶ月の間に台湾、ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシア や中国へと急速に拡大した。それ以来、伝染性のH5N1株によりアジア4カ国で 64名が死亡し[Moderator注:うち検査で確認されたのは59名のみ]、ロシアと ヨーロッパ(即ち欧州ロシア)に感染拡大し、変異を起こして数百万人を死亡 させる汎流行になるのではという世界的な懸念を惹起した。最近の死亡患者発 生を受けて、インドネシア政府は9月21日、首都ジャカルタでの鳥インフルエ ンザ感染は流行状態と呼べるものだと認めた。[Moderator注:インドネシアで は検査により鳥インフルエンザが証明された死亡例は2例に過ぎない] 2003年以来数百万の家禽が処分されたが、鳥インフルエンザはいまだに広がっ ている。「私の考えでは、農業生産様式(習慣)の違いが関係している。西欧諸 国では、農業生産様式はよく管理されている、すなわち、アヒル、鶏とヒトは 混在しない。このことに早急に対処しないと新たな新興感染症、特に動物由来 感染症(zoonoses)、が出現する可能性がある」とOmi氏は述べた。 過去2年間におけるアジアでの鳥インフルエンザの拡大は、ヒトと家禽とが密 集して存在し、接触の頻度の高い地域に関連しているとOmi氏は指摘する。 「アジアにおいて家禽の密集度に目を向けてみれば、中国南部、ベトナム、カ ンボジアで密集度が高い。過去2年間、鳥インフルエンザの流行は(家禽の) 密集しているところに起こっている」と同氏は述べた。家禽が裏庭で飼育され、 農夫は鶏やアヒルに近接して居住しているカンボジアとベトナムでは、鳥イン フルエンザによる死の危険に曝されてきた。Omi氏は、西ヨーロッパでも家禽 の密集度は高いが、アジアと同レベルの感染症は経験していないと述べている。 過去30年間における感染症の75%は動物由来感染症であり、アジア・太平洋地 域が「流行中心」であったと、WHOは指摘している。デング熱、日本脳炎、レ プトスピラ症、ニパウイルス(Nipah virus)や薬剤耐性マラリアなどは、今も この地域に常在する感染症である。グローバリゼーションがアジアにおける物 資とヒトの移動を促し、国境線の共有がSARSや鳥インフルエンザのような疾患 の拡大をもたらしたとOmi氏は指摘する。「各国間及び生物圏(bioregional)の 協調が早急に必要である」と同氏は述べている。WHOによる「新興感染症に対す るアジア・太平洋戦略」計画が9月21日に着手されたが、新興感染症の迅速な発 見と対策を確実にするため、アジア・太平洋諸国に対して多大なる協力を呼び かけている。計画の中では、ほとんどの国が伝染病に対する監視システムを持 っているが、早期警報システムとしては機能していないことが指摘されている。 「多くの国はいまだ将来の疾病流行に対して脆弱であり、ほとんどの国で新興 感染症に対する早期検知と迅速な対応の準備が不十分である」と指摘している。 ●09-21 (0923-0010)#Ea#鳥インフルエンザ-アジア(30):インドネシア、動物 園の鳥類# 情報源:Pacific Veterinary List。 稀な鳥類種を有する太平洋諸島国および地域については、こうした鳥類を捕獲・ 管理するという危機管理計画を考慮しておくのが賢明であると思われる。流行 あるいは流行疑いの間、汚染物質との接触の危険性を最小限度にとどめるため、 (動物園などの)施設を一般市民に対して閉鎖することは賢い選択であろう。野 生動物との直接・間接の接触を最小限にするために、施設の生物学的安全性 (biosecurity)を改善することも、感染の機会を減ずる。ワクチン接種はもう ひとつの検討に値する戦略であり、ここで選択されるワクチンは、オイルアジ ュバント不活化H5N2型株ワクチンであろう。このワクチンは現在市販されてお り、感染個体とDIVA(ワクチン接種個体を区別すること)の目的上も適合する (東南アジアを席巻しているH5N1株とは検査で区別可能である)。他の種類の鳥 がこの種のワクチンに反応することが知られているが、この種については、オ ランダとシンガポールからの若干データのみが存在する。 [Moderator 注:22の国と地域、人口700万人が属するPacific Communityにつ いての解説。] ●09-21 (0923-0020)#Ea#鳥インフルエンザ-アジア(31):動物由来感染症の予 防# [1]情報源:ロイター通信社、9月21日。 インドネシア当局は、鳥インフルエンザ症例の発生率が高い地区で飼育されて いる家禽の大量処分を実施する予定であることを、Anton Apriyantono農業大 臣が9月21日に明らかにした。政府が大量処分を実施するのかというロイター 通信社の質問に対して、「政府は未だ対策集中地区を確定していないが、いっ たん確定されれば、大量処分が行われるであろう」と答え、費用は問題ではな いと語った「。 [2] 情報源:ロイター通信社、9月21日。 OIEが9月20日、鳥インフルエンザ感染対する獣医学的感染予防対策を推進する ための1億ドル戦略(資金援助)は、この致死的感染症によるヒトでの汎流行の 脅威を抑える最善の方法であると、発表した。OIEは、鳥インフルエンザウイ ルスが、ヒトの間で容易に感染伝播するよう変異した場合に使用するため、各 国政府が抗ウイルス剤の備蓄に数億ドルを費やすと共に、そうした資金の一部 は、動物でのサーベイランスと根元的な疾病対策に用いられるべきであると指 摘した。 「鳥インフルエンザが動物において制圧されたら、ヒトでの汎流行の危険は数 千分の一に減少し、費用も大幅に軽減される」と、OIEのBernard Vallat事務 局長がロイター通信社に語った。「抗ウイルス剤に使われている金額の10%を 残して、(家畜での)鳥インフルエンザ撲滅対策の構築に用いたとしたら、有効 な投資となるだろう。」 以下、OIEによる資金調達の問題、ヨーロッパにおける感染拡大に関して野鳥 の調査をするために、シベリアに専門家を派遣したことなど。 ●09-21 (0923-0030)#C#病原性大腸菌O157、複数の学校-英国(ウェールズ地 方)# [1] 情報源:IC Wales、9月21日。 South Wales Valleysにある複数の学校で、病原性大腸菌_Escherichia coli_ 感染症が発生して6日が経過したが、いまだに父兄達は子供たちの感染原因や どのくらい患者が増えるかについて確認できていない。保健当局は、すでに患 者41名が発生した(前日に疑い患者18名の増加)集団感染の感染源の調査に乗り 出した。13名が入院し、うち5名は昨日退院している。患者発生校は7校増えて 19校になった。 病原性大腸菌O157の感染拡大という懸念の中で、給食が検査されている。ウェ ールズの保健大臣(注:ウェールズ議会にも、内閣類似の執行機関があり、首 相とその他8名の大臣で構成されている)Brian Gibbons氏は、当面の危機は去 ったと、父兄達の不安をなだめにかかった。「これは一過性の事態で、患児は 感染源に一点で曝されただけで、その感染源は既に過去のものである」と同氏 は述べた。 病原性大腸菌は、激しい腹痛と下痢を引き起こし、少数だが死に至る可能性が ある。ウェールズの国家公衆衛生局(National Public Health Service)の医師 Dr Roland Salmon氏によれば、患者の約5%が腎機能障害を呈する。「食中毒 としては重症である。約1/3の患者が入院する。幸いなことにそうしたことは 稀ではあるが、時々死亡例が発生する。それはほとんどの食中毒について言え ることだ。サルモネラよりは悪性である。医師に対しての重要なメッセージは、 抗生物質は病状を悪化させる傾向があるため投与すべきでない、ということ だ。」と同氏は語った。 保健大臣は、感染制御チームが感染源を突き止めるべく努力していると明らか にした。当面は、加熱調理された学校給食のみが当該地区に配給され、個人レ ベルおよび集団レベルでの衛生に特別な注意が払われた。(中略。) 病原性大腸菌O157感染患者41名が、South Wales Valleys地域の19校から確認 されている。 [2]情報源:BBC、9月22日。 ウェールズ南部の27校で発生した病原性大腸菌集団感染事例に関連した食肉業 者は、「恐ろしい事態で非常に憂慮される」旨を発表した。Bridgendにある John Tudor and Son社は、学校や議会施設に調理済み肉を納入していた。会社 は調理肉製品類を回収する一方で、食品安全管理局(Food Standards Agency) の調査が実施されている。 一方、3行政区(council area)における病原性大腸菌感染患者数は、9月22日午 前に10例増えて68例となった。食品安全管理局は、現地当局に対して、食品流 通経路から当該会社の調理肉製品を取り除くよう求めた警告を発したことを明 らかにした。以下、同局局長のコメント(中略)。 9月21日には、Tonyrefail、Treherbert、HirwaunおよびTreforest地区の学校 でも新たな病原性大腸菌O157感染患者が明らかとなり、感染はBridgend地区の 学校にまで拡大した。 小児2名がAlder Hey小児病院で治療を受け、Rhonddaでは一家族3名が罹患した。 (子供2人子供と母親の全員が入院し、子供のうち1人は、Bristol小児病院の腎 病棟で透析を受けている)。この一家は、流行が完全に制圧されるまで学校を 閉鎖しなかったことについて、当局を非難していた関係者の一部であった。 国家公衆衛生局は、流行がピークに達しているため、患者数の増加が予想され るとしながらも、当局の対応は適切だったことを主張し、市民の不安の沈静化 に努めている。Dr Roland Salmon広報官は、「潜伏期を考えると、まだ症例の 増える可能性はある」と語った。「当局が懸念しその実現のため多大な努力が なされていることは、これまでに発生した患者が、2次感染源にならないよう 確認することだ。」 [Moderator注:South Wales Valleysの複数の学校を巻き込んだ今回の病原性 大腸菌O157による流行は、それぞれの学校に共通した原因が示唆される。さら なる疫学的解析が必要であるが、調理場所が一緒なのか、あるいは、それぞれ の学校が独自調理しているが、食材の仕入れが共通なのかは、確認しておくべ きである。] ●09-21(0923-0040)#Ea#鳥インフルエンザ-ヨーロッパ(09):EU、感染予防対 策# [1]情報源:BBC。 オランダ政府は、鳥インフルエンザ感染を防止するため賦課した家禽の屋外飼 育禁止措置を解除した。鳥インフルエンザ感染がロシア国内で拡大していると いう報道により、野鳥から家禽への感染拡大の危惧が高まったため、放し飼い であったニワトリ500万羽が、飼育施設内に収容された。オランダ政府は、渡 り鳥の専門家からの勧告とEU当局の警告を受けて、前の決定を撤回した。欧州 委員会は、野鳥からの感染のリスクは、ヨーロッパ域の屋外飼育家禽貿易の禁 止を正当化するのは不十分であるとしている。オランダ政府はまた、屋外飼育 禁止策が6週間以上継続されならば、オランダ産鶏卵と鶏肉は「放し飼い free-range」と表示できないと(EU当局から)警告を受けていた。 [2]情報源:BBC / Reuters。 EUの食品安全局は9月20日、EU域内の養鶏農家は、鳥インフルエンザのサーベ イランスを強化し、もし鳥インフルエンザが域内に定着した場合は大規模ワク チン接種や大量処分を実施するよう準備するなどして、流行に対する備えを固 めるべきと指摘した。欧州委員会宛の報告書の中で、ヨーロッパ食品安全局 (EFSA)は、大規模な鳥インフルエンザ流行に関する最大のリスクは、鳥インフ ルエンザウイルスの低病原性株が高病原性株へと変異し、ヨーロッパ全域に感 染拡大する場合であると指摘した。 以下、EU当局による域内での鳥インフルエンザ流行のリスク評価と包括的な対 策の必要性。 ●09-22(0923-0050)#C#鳥インフルエンザ、ヒト患者-東アジア(133):インド ネシア# [1]情報源:CIDRAP News / AP、9月21日。 通信社の報道によれば、鳥インフルエンザ感染疑いで5歳と2歳の女児が死亡し たため、9月21日にインドネシアでは懸念が高まった一方、政府は感染した家 禽の群を処分すると約束した。AP通信社は、ジャカルタで住民9人が、鳥イン フルエンザ疑いで治療のため入院していると報じた。当局は、入院患者と死亡 した女児2名の検査結果を待っているとされている。インドネシアでは、9月10 日に死亡した37歳女性患者を含め、これまでに鳥インフルエンザが原因とされ る死亡患者4名が発生している(しかし、WHOはその内の2名のみが検査による確 定例であると認識している)。 AP通信社によれば、5歳の小児が、ジャカルタのSulianti Saroso病院に9月20 日に入院後、呼吸器障害で死亡した。インドネシアのSiti Fadilah Supari保 健相は、この患児は鳥インフルエンザ感染で死亡した可能性が高いと述べたと される。しかしReutersの報道によれば、同相は、患児に関する現地検査機関 での予備検査結果は陰性であったと述べた。(他方、)AFP通信社は、2歳の少女 が、高熱と呼吸障害を呈してジャカルタのChristian PGI病院で死亡したと報 じた。病院の広報担当者は、この患児は鳥インフルエンザ疑い患者と考えられ ると語った。 またAP通信社によれば、Sulianti Saroso病院の副委員長は、9月21日午後時点 で、同院に鳥インフルエンザ感染が疑われる新規患者3人が入院したと述べた。 そのうちの1人は、飼育されていた鳥類19羽が検査で鳥インフルエンザ陽性と なったことを受けて今週閉鎖される以前に、Ragunan動物園を訪れていた。他 の患者2人は、発病前に鳥類との接触があったティーンエイジャーであると、 記事では報じられている。 さらにAP通信社によれば、政府は9月21日に、これまで費用を懸念して消極的 であった、感染した家禽の処分を行うと約束した。一方、Voice of America (VOA)報道によれば、WHOは9月21日、もしインフルエンザ汎流行の兆しが確認 されれば、抗インフルエンザウイルス薬オセルタミビル(Tamiflu)を供給する 準備があると発表した。以下、(特異的ワクチンが未だ完成していない現在、 新型インフルエンザ流行対策の決め手となる)オセルタミビルのジェネリック 薬製造の是非に関する報道。 [2]情報源:International Herald Tribune, Asia Pacific、9月21日。 ジャカルタでの鳥インフルエンザ感染による女性の死は、現地での重大な警報 発令の原因となったが、女性患者から検出されたウイルス検体について香港の 研究所で実施された遺伝子解析の結果、9月21日に、分離株は容易にヒト・ヒ ト感染するようには変異していないことが示された。 しかし、同ウイルス株が今後ヒトの間で容易に伝播するように変異する可能性 があるため、鳥インフルエンザ感染は依然として公衆衛生上の脅威である。 以下、WHOを含む保健当局関係者のコメント、鳥インフルエンザ感染患者発生 を受けたインドネシア当局の流行対策の概要、鳥インフルエンザの世界的な感 染域の拡大情報など。 [3]情報源:WHO, CSR, Disease Outbreak News, 9月22日。 インドネシア:鳥インフルエンザ流行状況-WHO更新情報31。 インドネシア保健省は9月22日、新たな高病原性H5N1型鳥インフルエンザ感染 患者を確認した。今回の患者である8歳の少年は、香港にあるWHO委託研究所で H5N1型株感染陽性と確定された。患児は、現在も治療と経過観察のため入院中 である。インドネシアでのこれまでの調査では、H5N1型株が容易にヒト・ヒト 感染伝播するという証拠は得られていない。 インドネシアでの鳥インフルエンザ流行の背景情報: 2003年半ば以来、インドネシアでは、家禽での鳥インフルエンザ流行を経験し てきた。本日発表された新規患者以前に、インドネシアではH5N1型株感染患者 2名が、それぞれ7月と9月に、診断検査により確認されている。患者3名全例が、 WHOの支援を受けたインドネシア保健当局により調査されており、新たな患者 調査も実施されている。 調査によっても、H5N1型ウイルスが容易にヒト・ヒト感染で拡大しているとの 証拠は得られていないことから、WHOは現行の汎流行警報レベルを変更してい ない。しかし、WHOは今後も状況を慎重に注視していく予定である。アジアの 別のH5N1型株感染国での経験を前提とすれば、今後インドネシアおよび他国で 新たな患者が検知されても意外ではない。 以下、インドネシアで検査により鳥インフルエンザ感染患者が確認されたこと を受けた、今後の対策の必要性。 総体的な評価: 感染国全てで、H5N1型感染患者の大部分が、家禽への接触と関連している。極 一部の例では、急性期にあった患者との密接な接触による、限定的な同ウイル ス株のヒト・ヒト感染伝播が発生した可能性がある。確認された全事例で、こ うした伝播は限定され、一般社会での大規模な流行につながっていないことか ら、現時点ではH5N1型ウイルスはヒトの間では容易に伝播されないことが示唆 される。 WHOは世界中の各国に、鳥インフルエンザ汎流行の脅威に対応するための戦略 的対策を勧告した文書を送付した。 ●09-22(0923-0060)#C#ウイルス性胃腸炎最新状況、2005年(14)# [1]ノロウイルス-輸入ラズベリー(デンマーク)、情報源:Eurosurveillance Weekly 2005; 10(9) 、9月22日。 2005年にデンマークで、輸入冷凍ラズベリーが、一連のノロウイルス集団感染 事例の原因となる。 デンマークで2005年6月~9月に発生した6地区でのノロウイルス集団感染事例 が、ポーランドから輸入された冷凍ラズベリーと関連づけられている。全事例 が、(公共)施設あるいはケータリング店で発生した。加熱処理されていない冷 凍ラズベリーを使った料理が、各事例発生の1日前に供されていた。最初の事 例5件では、冷凍ラズベリー片が使用されていたが、追跡調査の結果、これら は、2005年春にポーランドからデンマークに輸入された大量の同一ロットに由 来することが判明した。全体では1000人以上が発病し、この汚染ロットは、最 近数年間にデンマークで最多の感染患者が発生した集団食中毒事例の単一感染 源と確認された。 以下、2005年デンマークで発生した、汚染冷凍ラズベリーが原因のノロウイル ス集団感染事例の一覧表、今回の一連の集団感染に関する疫学調査、ウイルス 学調査の結果、ラズベリーが汚染された原因の推測、デンマーク当局が国内の 調査結果に基づきポーランド食品当局に、問題の製品が単一の農場や加工業者 に由来するか調査を求めたことなど。 [2]ノロウイルス-輸入カキ-中国(香港)、情報源:MSNBC, Reuters report、9 月13日。 研究者によれば、香港でスクリーニング検査される輸入カキ10個につき1個で、 ノロウイルス汚染の証拠が確認された。調査に当たったDr Wilina W L Limは ロイター通信社に対して、「カキが、ノロウイルスの新型株持ち込みの重要な 原因食品である可能性が示された。」としている。 Dr Limは共同研究者らと共にJournal of Medical Virology誌で、ノロウイル スが原因となった胃炎流行は、カキの摂食と関連することが多く、汚染が拡大 しているようだと記述している。研究チームは、11カ国から輸入されたカキ検 体507件中の10.5%が、輸入直後の検査でノロウイルス遺伝子陽性であったこ とを確認した。特に、6カ国からのカキは(実際の)ウイルス汚染が認められ、 残り5カ国からのカキではウイルス汚染は確認されなかった。研究チームは、 輸入国名は明示しなかった。新型株2株を含め多様なウイルス株が検出された。 (今回の研究とは別の)ノロウイルススクリーニング検査が、香港のホテルおよ びレストランでのカキが関連した胃腸炎集団感染事例13件の発生を受けて、実 施された。ノロウイルス遺伝子は、事例6件のうち少なくとも1件のカキから検 出された。しかし、患者から分離されたウイルス株とカキから検出された株の 遺伝子型が合致したのは1件のみであった。 ●09-21(0923-0070)#Ep#うどんこ病、カボチャ-ブラジル(Minas Gerais州)# ブラジルで、_Plasmopara australis_による新規宿主_Luffa cylindrica_(ヘ チマ)での新たな感染が記録された。 情報源:英国植物病理学会誌、New Disease Reports、第12巻。 ●09-22(0923-0080)#C+#黄熱-ブルキナファソ、コートジボワール# 情報源:WHO, CSR, Disease Outbreak News、9月22日。 WHOは、ブルキナファソ南東部でコートジボワールとの国境に近接したBatie, GaouaおよびBanfora地域での黄熱流行報告を受領した。死亡患者1名を含む黄 熱患者4名が、ブルキナファソのCentre MurazおよびWHO黄熱協力センターで あるセネガルDakarのパスツール研究所の診断検査により確認された。死亡し た4歳の少年は、コートジボワールのBouna地域出身であった。 ブルキナファソ保健省とWHO同国事務所からの専門家チームおとびコートジボ ワール保健省とWHOコートジボワール事務所からの専門家チームが、人口の移 動が増加している両国の国境地域での今回の流行を迅速に調査した。感染のリ スクのある住民を保護し、黄熱が人口の密集した都市部に感染拡大するのを防 止するため、大規模ワクチン接種キャンペーンが準備されている。 WHOアフリカ事務局は、国境地域での黄熱制圧に最適な戦略を決定し、流行対 策活動の資金を十分に確保するため、両国の保健省と共同作業を行っている。 [Moderator注:以前のProMED-mail記事に認められるように、この国境地域は黄 熱の常在感染地域であり、1999年には黄熱患者1名がドイツへ輸入された。この 事例では、幸いにも、媒介蚊が存在しないため2次的な流行発生はなかった。] ●09-21(0923-0090)#Ea#鳥インフルエンザ-アジア(31):動物由来感染症の予 防# 「09-21(0923-0020)#Ea#鳥インフルエンザ-アジア(31):動物由来感染症の予 防」の重複投稿。
by sank100
| 2005-09-26 13:34
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