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●10-05(1007-0010)#Ea#水疱性口炎、ウマ&ウシ-米国(ネブラスカ州)#
情報源:米国農務省新聞発表。 2005年10月4日、ニューヨーク州Plum Islandの外来性動物疾患診断研究所は、 ネブラスカ州Scotts Bluff郡にある施設で飼育されていたウシ3頭で、初の水 疱性口炎New Jersey 株(VS-NJ)感染症例を確認した。VS-NJウイルスは、発病 した成牛3頭からの検体から分離された。(中略)。これらの個体は、2005年ネ ブラスカ州で最初の水疱性口炎症例である。州当局によって、感染が発生した 施設が隔離されている。 加えて10月5日に、アイオワ州Amesの国立獣医学研究所は、ネブラスカ州 Scotts Bluff郡にある別の施設で飼育されていたウマについて、ウイルス分離 により水疱性口炎と診断確定した。州当局によって、感染が発生した施設が隔 離されている。 問題の2施設は同じScotts Bluff郡内にあるが、それぞれは約24マイル離れて いる。以下、この情報を関係者に伝達するようにとの当局からの要請、質問の 受付電話番号。 ●10-06(1007-0020)#C#鳥インフルエンザ, ヒト - 東アジア(141) : インドネ シア [1]情報源:ロイター Alert Foundation 2005/10/6。 インドネシア保健省によると、2名の若年男性が、現地の検査により鳥インフ ルエンザ陽性と判明した。このうち1名は1週間前に死亡した。保健省の感染制 御部長によると、検体はWHOが確認検査を委託しているホンコンの研究所に送 付された。数日後に結果が得られる見込みである。 インドネシア保健局では、鳥インフルエンザにより2005年7月以降6人が死亡し たと考えている。このうち香港のWHO委託研究所では4人が確認されているのみ である。「PCRにより2名とも陽性が確認された。1名は21才男性で、生存して おり、安定している。もう1名は死亡した。2名とも、死亡した家禽との直接接 触があった。」と保健省疾病対策担当責任者が述べた。 2003年末以来、鳥インフルエンザにより、アジアの4カ国で60人以上が死亡し、 トリではロシアのヨーロッパ地域のトリからも確認されている。現時点では H5N1型株は容易にはヒトの間で感染伝播されない。 (無症候性H5N1感染ニワトリに関する議論、中略) インドネシアではこれまでに疑い患者90人を経過観察したが、ほとんどは陰性 と判明した。ウイルスは33州中22州に拡大し、2003年末以来家禽1千万羽以上 が死亡した。制圧が困難な理由の一つとして、都市部でも農村部でも、住民の 多くが、数羽のニワトリなどを飼っていることがあげられる。 [2] 情報源:Antara New Agency 10月6日。 新たにインドネシア人2名が、鳥インフルエンザに感染したと、保健省の疾病 対策環境局長が明らかにした。1名はLampung在住の21才患者で、ジャカルタの Abdul Moeloek 総合病院で治療を受けており、もう1名はWest Java州のBogor 在住の23才の患者であり、Sulianti Saroso 病院で数日前に死亡した。 PCR検査が保健省の研究開発庁と海軍医科学部(NAMRU)のジャカルタ支部で行わ れ、2名ともH5N1型ウイルス感染陽性であった。さらなる確認検査のために、 検体は香港のWHO委託研究所に送られた。 保健省のデータによると、鳥インフルエンザ感染患者(および疑い患者)のうち 11人が死亡したが、このうちウイルス感染が確認されたのは3名のみである。 患者は、政府が鳥インフルエンザ感染患者保健センターと命名した病院で治療 を受けていた。10月4日現在ジャカルタのみで、少なくとも20人がSulianto Saroso 病院で治療を受けているが、その多くが、ジャカルタ南部のRagunan動 物園を訪れた後に発病している。 [3] 情報源:XinHua 10月6日。 鳥インフルエンザの症状を呈していると疑われた20カ月の幼児が、Sulianti Saroso病院での3日間の集中治療後に死亡したと、病院の広報担当者が10月6日 に発表した。この幼児は、10月5日の夜に、呼吸障害と肺炎の増悪を来し死亡 した。 インドネシア保健当局によると、これまでに85人以上の患者が鳥インフルエン ザを疑われる症状を呈し入院している。Sulianti Saroso病院は感染症専門の 病院であり、現在少なくとも20人の疑い患者を治療している。 [4] 情報源:Xinhua News Agency、10月5日。 インドネシアの鳥インフルエンザ感染疑い患者数が2倍の85名に増加したと、 政府当局者が10月5日に明らかにした。保健省の疾病予防対策局長は、患者は インドネシア全30州中9州に散在していると述べた。同氏は、患者4名が検査で 鳥インフルエンザ陽性となったとしている。保健省のこれ以前の報告では、全 国の鳥インフルエンザ患者数を42名としていた。 [5] 情報源:Pravda.ru、10月6日。 インドネシア保健省は、WHOの発表している統計に合わせて、自国の鳥インフ ルエンザ感染確定死亡患者数を3名に引き下げた。これまでは、インドにシア 当局は、同ウイルス感染による死亡患者数を6名と報告していた。 ●10-05(1007-0030)#Ea#東部ウマ脳炎、シカ類-米国(ミシガン州)(03)# 投稿者:Gerald Hoff (PhD、カンザス市保健局) 東部ウマ脳炎ウイルスEEEVの分離だけでは、問題のシカの死因が慢性消耗病 CWDか東部ウマ脳炎EEEなのかを疑っているミシガン州住民を納得させることは できない。CWDは完全に除外されたのか。 この問題を取り上げた理由は、1969年にウィスコンシン州北部の商業的な狩猟 保護区(game reserve)のカリブー(woodland caribou)の大量死が発生したため である。この際に、我々はBunyamwera群ウイルスを回収したが(後にCharlie Calisher博士によりTensawウイルスと同定された)、死因は髄膜の寄生虫 _Pneumostrongylus tenuis_と判明した。 以下、記事中に引用された事例を報告した文献の情報。 ●10-04(1007-0040)#Ep#大豆さび病、アジア株、クズの栽培管理# 情報源:ProMED-mail。 大豆さび病、アジア株は、真菌_Phakopsora pachyrhizi_が原因の非常に重大 な感染症である。アメリカ諸国での広範囲に自生する宿主の1つが、かいば用 に持ち込まれたクズvine kudzu (_Pueraria lobata_マメ科クズ属)である。 ●10-06(1007-0050)#Er#野兎病、空気センサーによる検知-米国(コロンビア特 別区)# 投稿者:Kate Torres。 今回の事例について、当局が発表した声明中の「(野兎病菌の感染源は)土壌」 とする見方に対する批判とコロンビア特別区での野兎病発生の背景情報を求め る意見記事。 [Mod.LL注:環境中での野兎病菌_F. tularensis_の非生物性感染源について: 米国のマサチューセッツ州Martha's Vineyardでの肺炎型の野兎病患者集団発 生事例時の調査(Feldman KAら、N Engl J Med 2001; 345:1601-1606)で、感染 したウサギの死骸を破砕したり、汚染された干し草を取り扱ったり、野ウサギ の生息地で草刈りをしたりして肺炎型野兎病に感染した患者が発生したことが 示されている。さらに著者らは、芝刈りが疫学的には1件のオウム病事例に関 連づけられたことも記述している。 (感染した)げっ歯類は、生きた野兎病菌を尿中および便中に排泄しうる。 Feldmanらは、感染した動物の排泄物中の野兎病菌が環境中で生存を続け、(芝 刈りの際に)機械的にエアロゾル化され吸引されたことで、ヒトに感染したの ではという仮説を提出している。 Tularemia(野兎病)桿菌の環境中での生存について: 野兎病菌_F. tularensis_は芽胞を形成しないが、水中、度静注および腐敗し た動物の死骸中で生存できる。Feldmanらは、同菌が水中および泥中で最長14 週間、オート(麦)中で4カ月間、麦わら中で6カ月間生存すると報告している。 Feldmanらは、環境検体から野兎病菌_F. tularensis_を培養することに失敗し たが、雑草や空気中から野兎病菌を採集し分離する最適な方法はまだ確定され ていない。 [Mod.DS注:コロンビア特別区での野兎病発生について: コロンビア特別区(DC)では野兎病は一般的でないが、1920年代から30年代には、 (この地区の)野ウサギを扱う市場関係者では一般的であった。1948年~1974年 では、DCでは野兎病患者6名が発生したのみである。2000年~2004年には、患 者は報告されてない。1978年に遡れば、DCで患者3名が発生している。 以下、その文献。] ●10-06(1007-0060)#C#クロイツフェルト・ヤコブ病最新状況、2005年(10)# 目次: [1]英国:英国保健省クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)患者統計、2005年10月3 日時点。 [2]米国/スペイン:血液中で異常プリオンを検出。 [3]英国:歯科治療での感染リスク。 [1]英国:英国保健省クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)患者統計、2005年10月3 日時点、情報源:英国保健省新聞発表第2005/0337号、10月3日。 保健省は10月3日、既知のCJD患者数に関する最新情報を公表した。この中には BSEと関連があると思われるvCJD患者も含まれる。状況は以下の通り: vCJD患者要約-死亡患者: vCJD確定例における死亡患者(確定例):108名。 vCJD可能性例における死亡患者(神経病理学的に未確定):42名。 vCJD可能 性例における死亡患者(神経病理学的確定実施中):1名。 vCJD確定例または 可能性例における死亡患者総数:151名。 vCJD患者要約-存命中:6名。 vCJD 確定例または可能性例総数(死亡または存命中):157名。 [Moderator注:こ のデータは英国におけるvCJD流行は現在沈静化しているとする見解に一致する。 2005年最初の9ヵ月間で確定または可能性vCJDによる死亡患者は3名となった。 死亡患者数のピークは2000年で28名であり、その後2001年に20名、2002年に17 名、2003年に18名、2004年に9名と減少している。] 2005年英国でのCJDの全ての型の患者総数: 2005年9月30日時点で、2005年これまでに英国内では、CJD疑い患者92名が発 生した;散発型CJDによる死亡患者は41名、GSS (Gertsmann-Straussler- Scheinker症候群) による死亡患者は1名、家族性CJDによる死亡患者は2名、医 原性CJDによる死亡患者は1名、vCJDによる死亡患者3名が発生した。1990年以 降のデータは上記ウェブサイト(原文参照のこと)で閲覧可能である] [2]米国/スペイン:血液中で異常プリオンを検出、情報源:Nature Medicine, 11, 982-985、2005年8月28日。 血液中での異常プリオン検出のための検査法。 Joaquin Castilla1らによる「血液中での異常プリオン検出」と題する論文の 要旨の引用。 プリオン病の拡大を最小化するためには、血液中の異常プリオン(ミスフォー ルドプリオン蛋白、PrPSc)を検出する高感度な生化学的検査法の開発が最優先 される。当研究グループは、蛋白ミスフォールディング循環増幅(PMCA)法が、 PrPScを効率よく増幅するため、自動化し最適化できることを示した。以下、 新たな異常プリオン検出法であるPMCA法の概要。 [3]英国:歯科治療での感染リスク、情報源:BBC News online、9月12日。 研究者らは、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病が歯科治療を介して感染伝播 されるかを検討する予定である。英国政府の諮問機関である健康保護局(HPA) は、(異常プリオンに)汚染された歯科治療器具から変異型クロイツフェルト・ ヤコブ病が伝播されるか検討するマウスを使った実験を行う予定である。こう した感染リスクは小さいが、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病が提供された 血液や組織を介して感染伝播される可能性があるとした懸念を受けて、浮上し てきた。 以下、HPAによる検討の概要。 ●10-06(1007-0070)#C#原因不明の呼吸器疾患による死亡患者-カナダ(オンタ リオ州)(03):レジオネラ症診断確定# 情報源:Globe and Mail。 トロントの老人ホームで死者16人を出した疾患の診断が確定した。今回の集団 感染はレジオネラ症である可能性が高いと、当局が10月6日に発表した。 高齢者のための7 Oaks Homeで死亡した16人中3人(からの検体)が、検査でレジ オネラ症陽性所見を示したと、トロント州保健当局医官Dr. David McKeownが 10月6日の記者会見で明らかにした。同氏は、10月5日以来新たな死亡患者は発 生しておらず、患者発生は終息に向かっていると思われるとしている。トロン ト市長は、今回の集団感染による一般市民へのリスクは全くないと強調した。 「現在感染源特定に向けて、効率的に調査できる状態となった。」と述べた。 以下、今回の集団感染の概要、レジオネラ症の解説、今回の事例を2003年の SARS流行になぞらえる(メディアの)風潮を押さえるのに苦慮した当局の対応な ど。 ●10-06(1007-0080)#Ea#鳥インフルエンザ-アジア(38):ロシア(ウラル地方)# 情報源:Pravda、10月5日。 ロシア農業相は10月5日、夏季中にロシア各地を席巻した鳥インフルエンザの 流行状況は、当局がつい最近シベリア南部での新たな事例を報告したが、安定 していると述べた。 Alexei Gordeyev農業相は記者会見で、鳥インフルエンザ感染は制圧されてい るが、予防対策は今後も必要と語った。同相は、鳥インフルエンザ感染が確認 されている町村数は50カ所から7カ所に減少したと明らかにした。調査官らは、 鳥インフルエンザ感染発生が疑われている別の19カ所で検査を実施している。 以下、先日報じられたシベリア南部のKurgan地域での鳥インフルエンザ感染事 例の概要。 ●10-06(1007-0090)#Er#インフルエンザウイルス、1918年汎流行株:復元 (02)# 情報源:Nature, 437, 794-795 (6 Oct 2005) / doi: 10.1038/437794a。 前に「インフルエンザウイルス、1918年汎流行株:復元」記事内で引用された BBC報道内容をさらに詳細に伝えたNature誌の解説記事。基になった正しい論 文は、1) Jeffery K. Taubenberg ら、Nature 437, 889-893, 2005、および2) T. M. Tumpeyら、Science 310, 77 80; 2005.である。(訳者注:昨日の記事 #20051006-0030ではElodie Ghedinらの「ヒトインフルエンザウイルスの大規 模遺伝子解析により、ウイルスゲノム進化の動的特徴が判明」を引用したと伝 えていた。) 「1918年汎流行株が復元される"The 1918 flu virus is resurrected"」(研究 の概要とその意義は、すでに日本国内でも報道されているため訳は省略)原文 参照のこと。
by sank100
| 2005-10-07 16:51
| ProMed-mail
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