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●12-15(1220-0020)#C#ボツリヌス症、創傷、薬物乱用関連-米国 (カリフォル
ニア州)# 情報源:East Bay Express、12月15日。 カリフォルニア州Bay Area郡で、稀なヘロイン関連感染症の発生。 2004年11月29日に、最初の数名がBay Area郡の複数の病院に、発語障害、眼瞼 下垂、嚥下困難を呈して受診した。12月2日までに、患者少なくとも3名が上半 身に麻痺が進行し、人工呼吸管理を要した。 この原因不明の進行が急速な疾患は、ボツリヌス菌_Clostridium botulinum_ が産生する毒素により惹起される稀な病気、創傷ボツリヌス症であると判明し た。Alameda郡とSan Francisco郡公衆衛生当局は直ちに、カリフォルニア州保 健サービス局へ届け出で、同局はその後にCDCに事態を警告した。 つい最近発生した創傷ボツリヌス患者と同様、確認された今回の患者6名は、 共通の特徴があった、すなわち、汚染された薬物ロット由来のボツリヌス中毒 症を発症した全員が、(溶解するとタール状を呈する)ヘロイン乱用者である。 ボツリヌス菌は、生物テロに使用される病原体であるだけでなく、とりわけ重 症の疾患を来たすため、ボツリヌス症患者の発生は常に警戒される。中毒患者 は、急速下降性の麻痺、すなわち、頭部の小筋群(smaller muscles)に始まり 下降性に移動する筋肉の進行性麻痺を発症する。 これまでに、6名中3名が(うち1名はAlameda郡住民)San Francisco総合病院 で治療を受けており、重体となっている。今後数週間(場合によっては数ヵ月 間も)、四六時中集中治療を必要とする見込みである。 創傷ボツリヌス症が最も多いのはカリフォルニア州である。米国は、世界各国 から報告された患者のうち90%を占めるが、その全米の患者の75%がカリフォ ルニア州で発生している。この疾患は、1988年以前は話題とならなかったが、 それ以来カリフォルニア州では、感染数は20倍増加している。カリフォルニア 保健サービス局専門家らは、最近の患者発生急増は、ヘロイン乱用集団での2 つの関連した出来事により説明可能と考えている、すなわちメキシコ産タール 状ヘロインの人気上昇と、静脈ではなく軟部組織へのヘロイン皮下注射「skin popping」という方法の増加である。 反復して注射を行うと膿瘍を形成することがあり、神経毒素を産生するボツリ ヌス菌_Clostridium botulinum_などの細菌に好適な繁殖条件となる。 [Moderatorによりボツリヌス毒素には7種類の血清型があること、毒素活性化 にトリプシンなどのプロテアーゼが関与すること、神経毒であるボツリヌス毒 素のアセチルコリン神経接合部への作用機序、米国における創傷または食中毒 関連ボツリヌス症原因としてA型が最も多いことの記載。] ●12-16(1220-0030)#C#非定型抗酸菌症、ネイルサロン-米国(カリフォルニア 州)(02)# 情報源:KTVU.com、12月16日。 South Bay地区のペディキュアに起因する皮膚感染は現在も増加中。 Santa Clara郡内の様々なネイルサロン店で実施されたぺディキュアから、重 症の皮膚感染を発病したとされる女性数は、2004年12月前半で2倍以上になっ たと、2004年12月16日に公衆衛生局広報官Joy Alexiou氏が発表した。 現在調査中の患者数は総計95名であり、12月2日時点に報告されていた患者数 40名から大幅に増加した。Alexiou氏によれば、保健当局は足や下肢の皮膚病 変や皮膚潰瘍を呈した患者の増加について、2004年5月頃より現地の医師から 報告を受け始めていた。 発病した女性患者らは、感染に先立ちペディキュア処置を受けていたことが判 明した。細菌繁殖の温床として悪名高いジャグジーフットバス(フットスパ) 使用が原因となった可能性が高い。この感染は、有痛性の開放創を来たすこと がある細菌である(非結核性)抗酸菌感染拡大に起因しており、一部の女性患 者は、感染の結果である瘢痕を隠すための再建手術実施のために、数年間を要 した。 感染に気付く前に女性らが利用していたネイルサロン数も、3軒から16軒に増 加した。 患者数の増加に対応して、多数のサロンが一斉にフットスパの使用を停止した。 「多くのサロンがフットスパを使用しており、スパを使用していたサロンすべ てが問題をかかえている可能性がある」とAlexiou氏は指摘した。 (以下、2001年に州美容術委員会はフットスパの適正使用に関して勧告を出し ていたこと、適切なスパの管理法、2002年の抗酸菌症流行では100名近い感染 者が発生したことなどの記載。) ●12-19(1220-0040)#C#原因不明の死亡患者-スリランカ(南部):情報提供の 依頼# 情報源:China View News、(新華社通信オンライン版からの引用)、12月19日。 スリランカ:南部で原因不明の疾患により6名が死亡。 コロンボ発:スリランカ疫学部は2004年12月17日に、ウイルス性疾患が原因と 疑われる原因不明の疾患流行によりこれまで6名が死亡した、この感染はスリ ランカ南部で拡大していると発表した。疫学部は、現在までのところ、ウイル ス感染が原因と考えられるこの疾患は特定されておらず、原因はいまだに不明 であるとしている。 今回の死亡患者の報告は、多数の別の患者がすでに感染症病院に入院中である スリランカ南部のMatara地区とEmbilipitiya地区から報告されたと疫学部は述 べた。一方、同部は、感染患者の血液検体が、詳しい解析のために医学研究所 に送付されており、疫学部の特別医務官らが現地を訪問調査する予定になって いるとしている。 [Moderator注:具体的な数値(分母となる感染地区の人口)が記載されていない ため、今回の流行の同定と規模の解釈は困難である。WHOが2004年9月2日に、 南部アジア地域におけるデングウイルス感染患者再増加のために、ブータン、 バングラデシュ、インドネシア、およびスリランカでの流行に言及して、警告 を発したことに関連するかもしれない。さらなる情報が期待される。] ●12-16(1220-0050)#C#病原性大腸菌O157、ふれあい動物園-米国(ノースカロ ライナ州)(04)# 情報源:ノースカロライナ州公衆衛生局、12月16日、 病原性大腸菌患者最新情報。 ノースカロライナ州博覧会の訪問者に関連した病原性大腸菌O157:H7による腸 管出血性(血性下痢症)疾患流行が、同州で2004年10月から11月の間に発生し た。2004年10月下旬の州博覧会参加者中での、病原性大腸菌_E. coli_ O157:H7による重篤な合併症である溶血性尿毒症症候群HUSの複数の発生報告を 受けて、ノースカロライナ州公衆衛生局は、数十万人が病原菌に曝露された恐 れがある、大規模流行の可能性を認識した。流行を調査するために、(人的・ 物質的)資源が州政府とCDCから集められた。公衆衛生指揮センターが、州全 域に渡る流行対策の指揮、征圧、通信管理のために、開設された。当面の目標 は、流行規模の推測のための迅速な患者報告収集と、患者間の共通因子の同定 であった。 当初の患者追跡で、180名以上の患者から報告が受領された。全患者の半数以 上は、年齢5歳以下の小児であり、患者の2/3が18歳以下の若年者であった。 HUSを発症した小児15名が同定された。HUSは致死的となる可能性が高く、生存 者にも遷延化する腎障害が残る可能性がある。HUSは典型的には、全病原性大 腸菌O157:H7感染患者の約8%で発症する。今回の流行中HUSを発症した患者の 平均年齢は3歳で、範囲は1歳から13歳にわたった。多数の患者が州博覧会に行 き、ふれあい動物園で動物と接触したと報告した。 (以下、州住民への衛生勧告、これまでに明らかになった病原性大腸菌 O157:H7集団感染の調査状況、Crossroads Farmふれあい動物園から採取された 環境検体からは、病原性大腸菌O157:H7分離が最多となり、パルスフィールド ゲル電気泳動PFGE解析では、(環境からの分離株と)ヒツジやヤギに接触のあっ た患者由来の病原性大腸菌O157:H7検体との遺伝子型が一致したことなどの疫 学情報の記載。) ●12-19(1220-0060)#Ea#ウマヘルペスウイルス-米国(ミシガン州)# 情報源:HarnessLink.com、12月19日。 ミシガン州で馬鼻肺炎による死亡例。 ミシガン州立大学の獣医師らが、死因が特定されていないStandardbred種のウ マ1頭の死亡とその他25頭のウマ隔離の原因となったとされている馬鼻肺炎疑 い流行を調査している。問題のウマは、ウマヘルペスウイルスが病因である馬 鼻肺炎に感染した結果死亡したとされる。 (以下、国際獣疫事務局(OIE)届出疾患であり、ウマヘルペスウイルスにより 発症する致死的感染症、馬鼻肺炎が疑われることと、馬鼻肺炎の症状などの解 説事項の記載。) ●12-18(1220-0070)#C#サルモネラ症、血清型Thompson、レタス-ノルウェー (02)# 情報源:Eurosurveillance Weekly Vol 8 Issue 51、12月16日、 汚染ルッコラサラダによるサルモネラ菌血清型Thompson株の国際的な流行-更 新情報。 Eurosurveillanceは最近、ノルウェーでのルッコラサラダに起因するサルモネ ラ菌血清型Thompson株感染流行を報告した(文献1、過去のEurosurveillance Weekly参照)。上記の聴き取り調査を受けた患者のほぼ全員が、プラスチック 容器入りの調理済みサラダに入っていたルッコラを摂取している。これまでに、 今回の流行と関連が認められた診断確定患者20名が、ノルウェー国内で確認さ れている。2004年12月には、新たな患者は報告されていない。 我々(ノルウェー公衆衛生研究所)の疫学調査の結果に基づいて、ノルウェー食 品安全局は、2004年11月25日に、市場から原因と疑われる食品を一時回収した。 この決定は、スウェーデン食品管理局からヨーロッパ食糧飼料緊急警報システ ム(RASFF)を介して発信された、ルッコラサラダからのサルモネラ菌 _Salmonella enterica_血清型Thompson株分離警報からも影響を受けた。 (RASFFのウェブサイト: ノルウェーとスウェーデン双方のルッコラは、イタリアの同一生産者に由来し た。ノルウェー食品安全局と疑いサラダの卸売業者により感染対策が実施され た後、禁止令は12月14日に解除された。 (以下、ヨーロッパのヒト感染性胃腸炎サーベイランスネットワーク Enter-netにより実施されたデータベースと比較した今回の分離株のPFGE解析 結果や、最近のヨーロッパでのサルモネラ菌検出状況、今回の流行調査に Enter-netや、早期警戒対応システムEWRSやRASFFが非常に有効に作用したこと や、文献3件の記載。) ●12-14(1220-0080)#C#腸チフス-タジキスタン# 情報源:Yahoo.com、12月14日。 タジキスタンから腸チフス患者50名以上が報告された。 タジキスタン南西部で、小児40名を含む住民50名以上が腸チフスに罹患し、入 院していると、保健省が公式に報告した。患者全例が、首都Dushanbeから約 120km南方にあるKolkhozabad村から報告されたと当局はAFP記者に述べ、付近 の貯水池が汚染されている可能性があると加えた。 中央アジアの人口630万人の国家タジキスタンでは、2003年10月と11月にも、 多数の小児を含む住民600名以上が致死的ともなる腸チフスに罹患した。その 際の流行は、飲料水処理施設の欠乏が原因とされた。 旧ソビエト連邦中で最も貧しかったタジキスタンでは、1997年に大規模な腸チ フス流行が発生し、約17,000名が感染し、数十名が死亡した。
by sank100
| 2004-12-21 07:43
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