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●04-24(0425-0040)#C+#クリミア・コンゴ出血熱-パキスタン(イスラマバー
ド)# 情報源:Daily Times (Pakistan)、4月25日。 イスラマバードで12歳少女がクリミア・コンゴ出血熱CCHFに罹患し入院。 クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)感染が再び首都で発生し、その結果政府系病院 (通常Polyclinicと呼ばれる)の救急病棟が閉鎖された。同院の訪問者を通じて ショックが広がっている。救急病棟の医師団は、12歳少女患者が4月22日に検 査でクリミア・コンゴウイルス感染陽性となったことを受けて、予防的措置と して病棟を閉鎖した。同病棟は4月25日に通常業務が再開される予定である。 病院筋によれば、イスラマバード郊外のDhoke Mitial地区在住の患児は、重症 となってPolyclinicに搬送された。医師団は患者の鑑別診断のために複数の検 査を実施したが、クリミア・コンゴ出血熱に罹患していると疑っていた。同院 の輸血部Dr. Sharif Asturiは本日Daily Times紙に対して、患児の血液検体か らクリミア・コンゴウイルスが確認されたと語った。Dr. Asturiは、患児の血 液検体は国立衛生研究所に送付され、そこからさらに診断の確定のため南アフ リカへと送付されたとしている。 多数の患者およびその付き添いは、自らも感染したのではと恐れている。クリ ミア・コンゴ出血熱患者が発生したため、病院の管理者は救急病棟を2日間閉 鎖した。その後、患児はパキスタン医科学研究所に転送され、観察室に収容さ れた。病院筋によれば、病状は改善しているとのことであるが、主治医のコメ ントは得られていない。 [Moderator注:クリミア・コンゴウイルスは、ブニヤウイルス科 _Bunyaviridae_ナイロウイルス_Nairovirus_属に属する、分節マイナス一本鎖 RNAウイルスである。クリミア・コンゴ出血熱は長年人獣共通感染症の病因で あり、かつては中央アジアと東ヨーロッパでのみ認められていた。クリミア・ コンゴウイルスは現在では、アジア、中東およびアフリカにも存在すると知ら れている。近年、クリミア・コンゴウイルスが病因となった疾患の発生がペル シャ湾沿岸国で特に認められている。現地では、伝統的なヒツジの屠殺や加工 が現在も続けられている。同ウイルスは_Hyalomma_ spp種およびその近縁種の マダニで、経卵的(transovarial, 垂直感染)、およびtransstadial に伝播す ることで感染循環している。幼生期のマダニ(larval and nymphal)は(ウイル ス血症の)小型哺乳類や鳥類を吸血して、成虫は野生や家畜の反芻類を吸血し て感染性を帯びる。野生や家畜の反芻類が感染すると、多量のクリミア・コン ゴウイルスが産生される。注目すべき点は、ヒト以外の動物では感染は顕性と ならないことである。 今回の患児がクリミア・コンゴ出血熱に感染した状況は記載がない。更なる情 報の提供を歓迎する。パキスタン国内の病院内感染伝播は知られていないわけ ではないので、救急病棟の閉鎖は賢明な対策である。2002年にはRawalpindiに ある病院の女性医師が患者からクリミア・コンゴ出血熱に2次感染し、死亡し た。女性医師を治療した別の医師2名も感染したが、致死的とはならなかった。 それ以前では、1974年にRawalpindi総合病院の内科医が患者からのクリミア・ コンゴ出血熱2次感染で死亡している。] ●04-22(0425-0050)#C#サルモネラ症、冷凍チキン-米国(ミネソタ州)# [1] サルモネラ症患者の原因は冷凍チキン料理。 情報源:Center for Infectious Disease Research and Policy。 ミネソタ州およびミシガン州で冷凍チキン料理が原因となったサルモネラ症患 者数例が発生しているため、保健当局は消費者に冷凍チキンは十分に加熱調理 を徹底するよう警告している。 ミネソタ州保健局(MDH)は4月21日に、州内でサルモネラ症患者4名の原因は冷 凍の半加工チキン料理(prebrowned stuffed chicken entrees)であると発表し た。米国農務省(USDA)の食品安全検査局(FSIS) Steven Cohen広報官によれば、 同じ食品が原因とされるサルモネラ症患者9名が最近ミシガン州でも報告され た。 ミネソタ州で感染源とされたチキン製品はCub Foods店で「Cub」ブランドで販 売されたとMDHは報告した。これらの製品はイリノイ州の加工工場で製造され、 製造番号はP-1358である。当局は、同じ工場からの製品は別の小売チェーン店 で販売されている可能性があると指摘した。ミネソタ州疫学者Dr. Harrry Hullは記者会見で「問題の製品はパン粉がまぶされ表面に焦げ目が付いている が、実際は半生状態で適切に調理する必要がある。」と指摘した。 ミネソタ州調査官は2005年1月~3月に発生したサルモネラ症患者少なくとも4 名が同じサルモネラ菌株_Salmonella enterica_ 血清型Heidelbergに感染して いたことを確認したと、MDHは公表した。Cub Foods店の冷凍チキン製品少なく とも1パックが、患者4名で検出されたのと同じサルモネラ菌血清型Heidelberg 株に汚染されていることが確認された。 Cub Foods店は自主的に問題の製造ロットの製品を回収したと、MDHは公表した。 Cub Foods店は販売再開前に製品のラベルを変更する予定とMDHに伝えた。 Cohen広報官によれば、USDAの検査により、生のブロイラー肉の約13%がサル モネラ菌に汚染されていることが判明している。USDAのHACCP基準では20%と なっていると同氏は指摘した。 [2] サルモネラ症患者の原因は冷凍チキン料理。 情報源:ConsumerAffairs.com。 USDA食品安全検査局(FSIS)は、消費者に対して、冷凍の食肉および家禽製品は 摂食する前に十分に加熱調理するよう勧告した保健警報を発表している。調理 中に食品内部が食中毒菌の死滅する温度に達したかを確認するには、食品温度 計を使用する必要がある。 FSISは、ミネソタ州とミシガン州で販売された冷凍チキン製品がサルモネラ症 感染の原因となったとしている。FSISはCDCおよび両州当局と協力して感染源 を特定し、チキン製品が唯一の感染源であるのか確認するため活動している。 以下、サルモネラ症の解説とFSISによる半加工食肉製品の調理上の注意点など。 ●04-25(0426-0010)#Ea#鳥インフルエンザ、H7型株-北朝鮮(06)# [1]北朝鮮での鳥インフルエンザ流行は制圧される:サーベイランスは継続さ れ、獣医学当局の対応は強化されるべき。 情報源:国連食糧農業機関FAO新聞発表、4月25日。 FAOは4月25日、北朝鮮(DPRK)で最近発生した鳥インフルエンザ流行は成功裏に 制圧されたと発表し、同国政府に対しては、感染が続いていないことを確認す るため、感染が発生した農場およびその他でのサーベイランスを継続すべきと 勧告した。 鳥インフルエンザH7型株が最近首都ピョンヤン近くの養鶏施設3ヵ所で確認さ れていた。このウイルス株はニワトリでの重症感染の原因となるが、アジアの 他の地域で感染循環しているH5N1型鳥インフルエンザウイルスとは直接には関 連がない。 以下、対策の指揮に当たったFAOの担当官のコメント。 [2] 北朝鮮での鳥インフルエンザ流行は制圧される-FAO。 情報源:Reuters、4月25日。 国連食糧農業機関FAOは4月25日に、北朝鮮当局は今回の鳥インフルエンザ流行 を制圧し、原因ウイルスもヒトに感染しうる致死性のインフルエンザウイルス 株(H5N1型株)とは直接関係がなかったと発表した。 FAOは、このウイルス株はニワトリでの重症感染の原因となるが、アジアの他 の地域で感染循環しているH5N1型鳥インフルエンザウイルスとは直接には関連 がないとしている。 中国当局は、鳥インフルエンザ拡大を防止するため、北朝鮮との国境での検疫 措置を強化し、同国からの家禽の移入を禁止している。 ●04-24(0426-0020)#C#胃腸炎-インド(West Bengal)# 情報源:Statesman News Service。 Garulia地区で胃腸炎が猛威を振るう。 North 24- Parganas地域、Garulia自治体の6地区(Wards) 住民700名以上が胃 腸炎(enteric diseases) に罹患した。約500名がすでに同自治体内および近郊 の7病院に入院し、一部はBarasat およびHooghly地域の複数の病院に急送され た。患者7名は病態が悪化したため、Beliaghataにある感染症(ID)病院に急送 された。 情報によれば、今回の事例は、1,2,3および4区の住民が急性の胃痛と嘔気を訴 えてBhatpara州立総合病院を受診し始めた4月23日夕方遅くに始まった。状況 は同日夜には悪化し、さらに多くの住民が医療機関に押し寄せた。この時は6 および9区の住民であった。 Balak SanghaにあるGaruliaクラブのメンバーが最初に患者の救援に現れた。 次いでNoapara PSの警察当局が車両と人員を投入し、クラブのメンバーが非常 に多数の患者に対応しきれなくなったため、患者らを医療機関へと搬送し始め た。メンバーの一部は、その夜の大きな問題は患者を病院に搬送する救急車が 不足していたことだと指摘した。 現地の保健当局高官は、患者はBhatpara 州立総合病院, BN Bose 病院, Sri Balaram Sevamandir 病院およびSagar Dutta 病院に収容されたと述べた。現 地住民は、胃腸炎発生後の上京は現地行政当局に報告されたにもかかわらず、 自治体からの医師は4月24日になるまで1人も現れなかったと語った。 以下、自治体の危機対応能力の不足を認める当局者のコメント、被害の大きか った地区名、上下水道の管理が行われておらず、上水の汚染が今回の集団患者 発生の原因となったとする住民の声、現地視察後医療キャンプ3ヵ所を設置し、 流行状況を把握するため戸別訪問を行うとしたNorth 24- Parganas地域保健当 局者のコメント。 [Moderator注:今回の集団患者発生の病因はまだ報告されていない。複数の病 原体、複数の細菌、原虫およびウイルスが関与しているとしても不思議はない。 先進国であっても、限局した地区で一度に多数の患者が発生した場合は、公衆 衛生システムの許容量を容易に超えてしまう。- Mod.LL。 限局した地区で、非常の多数の患者が短期に(その一部は極めて急性に)発生し たことから、感染症よりも急性中毒症を疑いたい。一部の企業が毒性の廃棄物 を下水に排出し、それが住民の水源を汚染したのであろう。- Mod.JW。] ●04-25(0426-0030)#C#狂犬病、ヒト患者、動物-ウクライナ(Vinnitsa)# ウクライナ:Vinnitsa地区在住の1家族3人が狂犬病に罹患。 情報源:Forum News Agency、4月20日。 Vinnitsa州(Oblast)の獣医学局によれば、住民3名が検査により狂犬病と確認 された。2005年4月第2週に、Litinsk地区にあるLukashovka村在住の一家全員 が狂犬病疑いで医療機関に収容された。Vinnitsa州緊急事態省の社会問題局に よれば、イヌ1頭が、29歳の父親、28歳の母親およびその9歳になる小児に咬傷 を負わせた。 2005年3月にこのイヌはキツネに咬まれたが、家族はその出来事を深刻に受け 止めなかった。2005年4月10日に、子供が餌を与えていた際に、問題のイヌか ら受傷した。その後、両親もイヌに咬まれた。4月15日に、問題のイヌは死亡 し、検査で狂犬病と確定された。同日、同家族は現地の医療機関に狂犬病ワク チン在庫がなかったため、Vinnitsa病院に収容された。 現時点で、村の感染感受性のある動物すべてにワクチンが接種されており、住 民には狂犬病のリスクが説明されている。緊急事態省医療局の責任者Alexey Golovizkiy氏は、四肢のしびれ、筋のけいれん、興奮性、視力および聴覚障害 といった主要な狂犬病症状を警告した。迅速に曝露後ワクチン接種がなされな い場合、患者は深刻な神経障害を呈し、死に至る。 [Moderator注:2005年すでに、ウクライナでは、狂犬病ウイルス感染が野生の 肉食動物(キツネやオオカミ)や家畜で観察されており、キツネから受傷後に発 病した狂犬病患者1名が発生している。狂犬病キツネに接触した場合、曝露後 ワクチン接種は小児でも成人でも必要となる。さらなる症例発生予防のために は、家畜でのワクチン接種と現地住民への危険性についての教育が優先的な緊 急課題である。] ●04-25(0426-0040)#Ea#山羊関節炎・脳脊髄炎、ヤギ-ボスニア・ヘルツェゴ ビナ:OIE# ボスニア・ヘルツェゴビナでの山羊関節炎・脳脊髄炎。 情報源:国際獣疫事務局(OIE), Disease Information, Vol. 18 No. 16。 情報は2005年4月20日にボスニア・ヘルツェゴビナ獣医学局責任者Dr. Jozo Bagaricから受領。 同国で初の山羊関節炎・脳脊髄炎感染発生。 発生の開始日:2005年1月19日。 有症例:あり。診断:臨床診断および検査。 流行の詳細: 発生場所:Srpska共和国Doboj地域Dragalovci地区の農場。 種/曝露/症例/死亡/処分/屠殺 ヤギ / 65* / 40 / 29 / 36 / 0、* :成獣59 頭、子ヤギ 6 頭。 感染源不明、以下、診断方法、流行対策の概要。 ●04-25(0426-0050)#Ep#柑橘類癌腫病-オーストラリア(クイーンズランド 州)(03)# [1]サーベイランス更新情報。 情報源:柑橘類癌腫病最新状況第50報、クイーンズランド州1次・水産業局、4 月22日。 [2]依然として隔離地区から果実の持ち出しが続く。 情報源:Australian Broadcasting Corp.、4月22日。
by sank100
| 2005-04-26 20:37
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