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●05-23(0525-0010)#C#コレラ、下痢症&赤痢、最新情報2005年(19)#
目次:ヨーロッパ: [1]コレラ-航空機―インドからオランダへの輸入例 アジア [2]コレラ、フィリピン(Mindanao)。 [3]コレラ-インド(Delhi)。 [4]コレラ-マレーシア(Sabah)。 [5]胃腸炎。フィリピン(Leyte)。 [6]コレラ- WHO WER届出。 [1]コレラ-航空機インドからオランダ。 情報源:News24.com ,2005年5月23日 KLMオランダ航空でコレラ騒ぎ KLMオランダ航空は2005年5月23日、インドの首都ニューデリー発アムステルダ ム行きフライトの乗員・乗客250名に対し、搭乗客1名がコレラに感染していた と警告を発した。当局は(他の乗員・乗客が)コレラに感染するリスクはごく小 さいとしているが、航空会社はそのフライトの搭乗者に対し主治医の診察を受 けるよう勧告した。 KLM オランダ航空は、6歳の少年がコレラの症状を呈して、アムステルダム市 内の病院に入院したと発表した。同便でアムステルダムに到着した乗客の多く は、別の海外の目的地にむけて出発した。航空会社はこの件を受けての追加的 な保健対策導入は計画していないと発表した。 [搭乗中での2次感染の可能性は、機内での飲食物の広範囲な汚染がなければ、 ごくわずかである。―Mod.LL] [2]コレラ、フィリピン(Mindanao)。 コレラにより村人12名が発病。 情報源:MindaNews.com、5月21日。 Zamboanga Sibugay州とZamboanga市の境界にある2地区(barangays)で、少なく とも12名がコレラに罹患していると確認された。市の保健担当官は2005年5月 21日に、コレラ患者はBarangay Vitaliの救急産科病院に収容されていると述 べた。 保健担当官は、患者7名がZamboanga Sibugay州Tungawan、Barangay Sinaburan で、5名が同市内東海岸のLicomoで発生したと述べ、原因は汚染された飲料水 であったと指摘した。コレラの被害を受けた村の住民は、井戸水を使用してい た。同氏は、井戸を塩素消毒することで感染拡大を防止するために、Licomoに 保健当局者を派遣した。 [3]コレラ-インド(Delhi)。 首都でコレラ患者発生。 情報源:WebIndia123.com、2005年5月19日 2005年に報告されたコレラ患者148名中、76名が2005年5月に報告されている。 専門家は、今回の事例は上水の汚染が原因としている。科学環境センターの医 師Atanu Sarkar氏は、デリーの(上水道の)水質の悪さがコレラを含む多くの水 系感染症の原因であり、水管路が十分に維持・管理されておらず、それが漏出 した下水が飲み水と混ざるリスクを増大させていると指摘した。また、水不足 のため、未許可の居留地やスラム街の住民が汚れた水を飲むことが、多くの水 系感染症、特にコレラや腸チフスなどの発生につながっている。 2005年5月の最後の15日間のコレラ患者76名に比べて2004年5月は、126名であ った。コレラの蔓延は水の汚染によるものであると確信しているが、2005年5 月に検査した水のサンプルの大部分からは汚染は見つからなかったとデリー市 の保健担当官は述べた。水を処理するのに使用する塩素の不足が水の汚染につ ながったと保健機関が述べた。デリー市当局による検査で汚染が見つかった水 検体59件で残留塩素濃度不足が認められた。同氏の保健担当官は、当局はスラ ム街や人口過密地区すべてに塩素剤を分配しているとしている。 [4]コレラ-マレーシア(Sabah)。 Pulau Gayaでコレラによる被害発生。 情報源:TheStar.com、5月22日 Pulau Gaya(ボルネオ島のサバ州の州都であるコタキナバルの沖合いにある小 島)でコレラが流行し、島民17名がQueen Elizabeth病院に収容された。 Tanjung Aru州議会議員は、「患者らは2005年5月21日に入院した。患者全員が 治療によく反応している。」と述べた。 今回のPulau Gayaでのコレラ流行は、同様な流行がSempornaの東海岸地区で発 生して丁度3週後に起きた。現地では、2つの学校の生徒118名がコレラに罹患 した。 [5]胃腸炎-フィリピン(Leyte)。 Baybayで145名が胃腸炎を発病。 情報源:TheFreeman.com、2005年5月21日 流行が始まってから4日目の2005年5月20日時点で、LeyteのBaybay 町では住民 少なくとも145名が急性胃腸炎に罹患した。Baybayの町長は、患者の大部分は7 歳以下の小児であり、13名のみが30歳以上の成人であったと述べた。 2005年5月20日午前の時点で、65名がWestern Leyte District病院に、別の30 名が町の複数の個人病院に収容されている。50名が外来治療を受けた。集団感 染の原因は直ちに、Poblacionにある町の上水道区の井戸の1つからの汚染さ れた水と追跡された。これは患者の大部分がPoblacionの住民だったからであ る。 水の検査を実施するように派遣された衛生検査官は、この井戸の水検体から病 原性大腸菌を見つけたが、それがヒトの便か動物の糞便由来であるか、まだ決 定できていない。 水道局(water district)が、2005年5月16日以前の数日間、井戸水を使用し た上水システムで塩素消毒を怠ったことも確認された。 [6]コレラ- WHO WER届出 情報源:WHO Epidemiological Record, 2005年5月20日。 2005年5月13日から19日までに受理したコレラの届け出。 国/期間/患者数/死亡者数 アフリカ カメルーン/2005年4月25日~5月8日/20/0。 アジア インド/2005年2月20日~4月30日/64/0。 ●05-24(0525-0020)#C#リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、死亡患者-米国# リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス感染により臓器移植患者3名が死亡。 情報源:Newsday.com, Associated Press、5月24日。 2005年4月中旬に臓器移植が実施された2,3週間後に、移植を受けた患者3名が 死亡した(マサチューセッツ州の両肺移植患者と肝移植患者、ロードアイラン ド州の腎移植患者)。 もう1人のロードアイランド州の腎移植患者も発病したが、回復中である。5月 23日に今回の死亡患者を公表した公衆衛生当局は、今回の事例は、移植臓器が 感染源となった、げっ歯類の排泄物への曝露に関連するリンパ球性脈絡髄膜炎 ウイルス(LCMV)感染の2例目に当たると指摘した。(ドナーはペットのハムスタ ーから感染した可能性が指摘されている。) 同局では、LCMN感染はヒトでは稀であるとしている。州保健局長David Gifford氏は、「移植を待っている人々は今回の事例を懸念すべきではな い。」、「こうした事例は極めて稀で、異常な事態である。」と語った。 保健当局は、自らも移植手術を行ったロードアイランド州の外科医が異常なウ イルス感染による死亡患者を報告した後、ドナーと移植を受けた患者間の関連 を確認した。肺移植はボストンにあるBrigham & Women's病院で、肝移植はボ ストンのMassachusetts 総合病院で、2件の腎移植はロードアイランド州 Providence市で実施された。 Gifford氏は、LCMV感染は稀であり検査結果が判明するのに数日かかり、移植 用臓器が使用できなくなる恐れがあるため、他のドナーで検査を行う予定はな いとしている。また、商業的に入手可能な検査はないと思うと加えた。 問題のロードアイランド州のドナーから角膜に提供を受けた他の2名は米国外 に在住している。CDC当局は、これらの角膜がどこに送付されたか調査中であ る。 LCMVはイエネズミに一般的に認められるが、通常はヒトではインフルエンザ様 [発熱]症状を来たすのみである。このウイルスはまた、神経学的疾患と妊娠中 の女性の流産に関連することもある。今回の事例では、患者が移植治療の一環 として多量の免疫抑制剤の投与を受けていたレシピエントであり、そのことが ウイルスの増殖につながり「致死的な感染」の原因となったと、Gifford氏は 指摘した。 CDCのDr. Matthew Kuehnertは、2003年12月にウィスコンシン州で、1例のみ LCMVが原因の移植関連死亡患者が報告されていると述べた。この症例ではげっ 歯類への曝露は特定されなかった。CDCは、移植患者の死因がLCMVであったこ とを確認するため、Warwickのペットショップで購入され死亡した(ドナーが所 有していた)ハムスターを検査した。CDC広報官は、「当局はこのハムスターが 感染源であったと考えているが、一般のイエネズミも除外できない。」として いる。 [Moderator注:アレナウイルス科に属するリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスとそ れによる感染症の解説。] ●05-24(0525-0030)#Ea#口蹄疫、ウシ-ザンビア(02)# 口蹄疫が中央州で制圧された。 情報源:The Post (Lusaka), 2005年5月23日 中央州の獣医局担当官Dr Mathews Kabetaは、口蹄疫が同州内で制圧されたと 語った。同氏は5月20日にChibomboで、「州の獣医局は継続的に農家への情報 提供とワクチン接種を行ってきた。しかしながらcorridor diseaseがまだ制圧 できていない。」と述べた。 中央州と南部州は2004年6月に、口蹄疫の流行で被害を受けた。その結果3ヵ月 後に同2州内外への家畜の移動が禁止された。2つの州の一部地区では口蹄疫の 痕跡がまだ存在するという報告されていたにもかかわらず、家畜の移動禁止措 置は2005年3月21日に解除された。 [Moderator注:ジンバブエからOIEへの口蹄疫流行報告、原虫_Theileria parva lawrencei_ が病因でマダニ_Rhipicephalus appendiculatus_により感 染媒介される Corridor diseaseの解説。] ●05-23(0525-0040)#Ea#口蹄疫-中国(07)# 中国当局は食品衛生の問題に直面。 情報源:CNN.Com.、5月23日。 South China Morning Post紙は、北京郊外で新たに発生した口蹄疫流行により、 乳牛数千頭が処分されたと報じている。 香港にある同紙は5月23日、主要な酪農基地であるYanqing地区で乳牛が処分さ れ牧場が封鎖されたが、中国本土のメディアは今回の口蹄疫流行を報じないよ う通達されていると報じた。 中国当局はこの報道を否定している。中国当局は過去においては口蹄疫流行を 隠蔽していたが、今月北部の江西省と東部の山東省のウシで認められた口蹄疫 発生を報告した。 しかし、中国家畜飼料業界の関係者は先週、北京当局は口蹄疫の感染拡大を報 告することを怠っていると指摘した。同関係者は、口蹄疫が2005年2月以来、 中国国内の10省のブタに感染拡大しているとしている。 ●05-24(0525-0050)#C-#黄色ブドウ球菌(MRSA)、市中感染-英国(イングラン ド):2003年~04年# [1]「強毒性」MRSAの感染拡大防止ための対策の要求。 情報源:TimeOnLine.com、5月24日。 感染症の専門家は5月24日、健常な若者でも致死的となりうる新たな耐性菌制 圧のため、政府による緊急対策が必要とする警告を行った。 18歳の海軍訓練生を死に追いやった菌株に類似した毒素産生性MRSA(メチシリ ン耐性黄色ブドウ球菌)は米国内ではすでに大きな医療上の問題となっており、 一部の地区では黄色ブドウ球菌感染の大部分の原因となっている。 問題の生来健康であった若い新兵は壊死性肺炎を発病し、訓練中に負った下肢 の傷がPanton-Valentine毒素を産生するMRSA株に感染した2日後に死亡した。 この感染症を研究しているBath大学の専門家Dr Mark Enrightは、政府に対し て疑い患者全員がロンドンColindaleにある健康保護局に照会されるような能 動的モニタリングシステムを設置すべきと提言した。現在は、検査のため拭い 検体を提出するかは病院側の決定に任されている。同医師は政府がこの問題を 主導していないことを批判している。 Panton-Valentine Leukocidin (PVL)産生株は米国内ではすでに深刻な問題と なっている。シカゴ小児病院の医師は、同院で治療しているブドウ球菌感染の 大部分がPVL産生株であると指摘した。 患者は米国の他、フランス、スイス、およびオーストラリアの学校でも報告さ れており、刑務所、ヘルスクラブ、男性同性愛者コミュニティでも感染が認め られている。サンフランシスコでは患者6,000名が報告されている。アジアで も問題は拡大しており、医療機関は多数の患者を診察している。 2005年5月20日、Royal Devon and Exeter病院のDr Marina Morganは、 Campbell-Smith氏の死因審問で、自らが9週間にPVL産生性MRSA株感染患者2名 を診察したと語った。 以下、こうした感染症は稀と反論する健康保護局広報官の発言、2004年11月2 日に死亡した海軍訓練生の死亡からPVL産生性株感染確認までの経緯。 [2]情報源:Life Style Extra (UK)、5月24日。 授乳中にPanton Valentine Leukocidin (PVL)産生性市中感染MRSAに罹患し、 娘に感染伝播させた33歳の母親症例の紹介記事。 [Moderator注:共に最近の事例ではない上記2件の記事は、1例目の死亡患者の 剖検結果公表の際に報じられた。2件の記事は市中感染MRSAに関連した感染症 の広がりを明示しているが、これらは以前のProMED-mailのこの感染症に関す る記事でも詳細に記載されている。 以下、市中感染MRSA株、PVLの解説。] ●05-24(0525-0060)#B#マールブルグ病-アンゴラ(43)# アンゴラ:当局はマールブルグ病患者対応に追われる。 情報源:The New York Times, Health、5月24日。 アンゴラでの新規マールブルグ病患者数は過去数日間減少しているが、流行自 体はまだ制圧されていないと、WHOは報告している。Uige州では新規患者の発 生が続いている。北部にある同州は、今回の流行が2005年3月21日に初めて確 認されて以来、流行の中心となっている。 マールブルグ病は過去数週間中に、以前患者が報告されていなかった複数の近 隣地区へと感染拡大したと、Uige州のWHO広報担当Aphaluck Bhatiasevi氏が述 べた。さらに同氏は、以前マールブルグウイルス感染が検知されていた一部地 区では、それ以前の患者との接触者であると確認できない個人が発病し、一部 の患者について疫学的な説明が困難であるように思われる。しかし、そうした 患者も、新たな感染源の発現を意味する可能性は低い。Bhatiasevi氏は、そう した患者は、保健関係者が、すでにマールブルグ病に曝露されていてこれまで は情報が得られなかった個人(患者)を確認する努力の結果であろうとしている。 例えば過去約2週間以内に、それ以前の患者とは明確な関連が確認できない死 亡患者13名が近隣地区で発生した。Bhatiasevi氏は、疫学者は、新たな患者が どこでマールブルグ病に曝露したかを特定するため、新規患者を調査している と語った。 5月23日時点で、Uige州では死亡患者315名を含むマールブルグ病疑いおよび確 定患者376名が発生している[5月17日のWHOによるアンゴラ全土の統計は、患者 337名、死亡患者311名であった- Mod.CP]。Bhatiasevi氏は、マールブルグウ イルスは母乳中からも検出されているので、感染した母親は授乳しないよう警 告している。 マールブルグ病患者3名(小児1名と成人2名)が5月23日に、Uige州の州立病院で 国境なき医師団が運営する隔離病棟で治療された。マールブルグ病に関しては 特異的な治療法がないが、支持療法や重複感染するマラリアなどに対する治療 が行われる。 アンゴラでの感染源は不明である。 ●05-24(0525-0070)#C#旋毛虫症、死亡患者-タイ# イノシシ肉からの寄生虫感染症により死亡患者発生。 情報源:The Nation。 2005年5月前半にある夫婦が加熱不十分なイノシシ肉を摂食して(寄生虫感染症 に罹患し)、夫は死亡し、妻も5月23日時点で集中治療室に収容されている。43 歳男性は現地病院で治療中に死亡し、27歳の妻は人工呼吸器管理となっている。 同じ肉を摂取した隣人2名も入院しているが、重症ではない。これらの患者4名 の治療に当たったDr Pongthep Pirawitは、患者全員が加熱不十分なイノシシ 肉が感染源となった旋毛虫症に罹患していたと述べた。 旋毛虫症は旋毛虫幼虫による寄生虫感染症で、加熱不十分な食肉特に豚肉の摂 食により感染伝播される。幼虫は寄生した動物の腸管から筋肉組織中へと移動 し、そこで嚢(シスト)を形成する。 Dr Pirawitは住民に対し、旋毛虫症は今回の事例のように致死的感染となる可 能性があるため、十分に過熱した食品のみを摂食するよう警告している。死亡 患者と他の住民は5月13日に問題のイノシシを狩猟して調理した。その後関係 者で食肉を分配したが、その一部は十分に加熱されていなかった。
by sank100
| 2005-05-26 13:22
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